密教と土木計画③
胎蔵界曼荼羅(実際は[世]界ではなく部)は12院からなり、大日如来を中心とした中台八葉院はじめ中央5院を菩提心(悟り)=因、とし(一点鎖線内)、文殊院以下6院を慈悲=根、とし(点線以内)、外金剛部院を方便=実践の 究竟(くきょう)とした。
衆生の「~だったらエーなあ」というドリームは、大日如来の下に菩提心(=やってみよう)となる。それは理性に働きかけ、一方で煩悩降伏の明を受持し、観音の自在慈悲、 及び金剛薩埵の悟りへの強固な誘導・智恵・強い意志により、サポートされビジョンとなる。
市民の小さな、かつ根源的な思いを受けて、多方面要求(煩悩)を理性的に整理し本質を見極め(あれもこれもでではなく、あれかこれか)、かつ現場の言葉を自在に引き寄せ、本質方向に向けて現場を強くファシリテートしていき、ビジョンを示すのが土木計画(法)に関わる専門家(僧)である。その作動を受ける衆生のなかに仏=道理を見出すのが密教の修行かもしれない。土木計画に関わるとは、悟りへの修行である。そういう菩提心から生活(胎蔵)に関わりたい。
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