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2009年8月22日 (土)

先生、クルマ社会ですよ。自由にクルマに乗って何が悪い!メタボのどこが悪い?

社会動向を個人の嗜好(志向)性にのみ限定して考えるのは、政策放棄、職務怠慢。

後期高齢者は、クルマに乗りたくって乗っているわけではない。乗らざるを得ない、バスの自由撤退、地域の若者の減少、厳しい現実の中で、ハンドルを握るしか、通院、買い物などの日常を支えられない。そんなら、施設に集めてと考えるのは浅はかなことである。人は、食べて息して生きているのではない。

慣れ親しんだ風景、家屋、記憶を共有できる仲間:コミュニティの声かけあい。その中で暮らしている。最低限のインフラ整備によって、在宅で誇りを持って生きたい、終の棲家で死にたいという交通弱者の声が聞こえねば、行政マンとしては失格だ。

好きでクルマに乗っている壮年ドライバーにも問題がある。彼らの健康が担保できねば、医療保険の平均点数が上がり、地域の医療費負担が破綻する。

自動車偏重と肥満の関係:17カ国で比較調査. 米国では、徒歩や自転車、公共交通機関で移動するのは人口のわずか12%であり、3人に1人が肥満。定期的な運動が健康に良いことを示す証拠は十分にあるが、国ごとの統計的研究から、自動車を利用せずに徒歩や自転車、公共交通機関で移動すると肥満の予防になることが証明された。「言われなくても分かっているよ!」と思われるかもしれないが、テネシー大学のDavid Bassett教授と、ラトガーズ大学のJohn Pucher教授は、「能動的移動手段(active transportation)」[本人が能動的に動く必要がある交通手段]と肥満率の間に強い関連性を見出した。

「一般に、能動的移動手段の利用水準がきわめて高い国々は、肥満率が最低水準だった。欧州諸国では、米国やオーストラリア、カナダと比べて、徒歩や自転車で移動するのがごく普通だ。これらの国では、能動的移動手段が肥満と反比例の関係にある」と、Bassett教授とPucher教授は「Walking, Cycling, and Obesity Rates in Europe, North America, and Australia(欧州、北米、オーストラリアにおける徒歩、自転車での移動と肥満率)」『Journal of Physical Activity and Health』に発表した。Bassett教授とPucher教授が、17カ国における健康と移動手段に関するデータを検証した論文によると、米国での移動手段は徒歩が9%、自転車が1%、バスまたは電車が2%で、米国人の25〜33%が肥満だった。研究対象となった他の国々のデータは以下の通り。

ラトビア:67%が能動的移動手段⇒14%が肥満
スウェーデン:62%が能動的移動手段⇒9%が肥満
オランダ:52%が能動的移動手段⇒11%が肥満
カナダ:19%が能動的移動手段⇒23%が肥満
豪州:14%が能動的移動手段⇒21%が肥満
 全体的に見ると、欧州人は米国人の3倍の距離を歩き、5倍の距離を自転車で移動している。欧州人は年平均約381km歩き、約187km自転車で移動しているのに対し、米国人の徒歩での移動距離は年平均約140km、自転車での移動距離は約39kmだ。

こうした運動量の差を体重に換算すると、欧州人は、米国人よりも約2.3〜4.1kg分余計にカロリーを消費していることになる。別の角度から比較すると、1日に歩く平均の歩数はスイス人が9700歩、日本人は7200歩、米国人は5900歩だ。

こうしたデータを、米国人は怠惰で車が大好きだからという理由に結びつけるのは容易だろうが、本当はそう簡単ではない。欧州の都市は建物や施設が密集し、交通網が高度に発達していることが多い。一方、米国の都市はスプロール化[都市が無秩序に拡大していくこと]が進み、公共交通機関のインフラは一般にそれほど整備されていないので、車を使わずに徒歩や自転車で移動するのが難しい場合がある。

肥満に関係した要因は複数あるし、研究者たちも、「能動的移動手段」が肥満を解消すると完全に証明したわけではない。しかし、カリフォルニア大学デイビス校Sustainable Transportation Centerの責任者であるSusan Handy氏がAP通信に語ったように、Bassett教授らの研究は興味深い。「問題は、今後はどうするのかということだ。米国の人々を歩かせたり自転車で移動させたりするにはどうしたら良いのだろうか」と、Handy氏は語っている。

[日本語版:ガリレオ-矢倉美登里/福岡洋一]WIRED NEWS 原文(English)2009年1月5日http://wiredvision.jp/news/200901/2009010521.html

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