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2009年2月 7日 (土)

システムと偶発性

社会現象(ex.クルマに頼らずコミュニケーションのある町)は、システム(ex.コミバス路線とダイヤ)によってのみもたらされるものではない。コーディネータの仕掛けた偶発(コミュニケーション)が連鎖し、創発されて新たな暮らし方の町(社会現象)ができることもある(ex.住吉台くるくるバス)。

システムは数値によって評価可能である(経済性、環境評価)。しかし、人々の信頼・安心や幸福、快適性など価値に関わるものは、時間・便利さも含め、システムではないため、一般化費用計算は、限りなく滑稽となる。ソーシャルキャピタルだといって、公民館の数を数えても仕方ない。部屋数は家族の信頼と相関しない。

偶発は、その場のコミュニケーションでしか評価できない。言葉とか表情とか。この数値にならないコミュニケーションは、町を歩き、人々と出会い、一緒に考える機会をたくさん持たねばわからない。現場に出て一緒に考えるということだ。大阪大学のグランドプランには、そういう意味で社学連携としての「フィールドワーク」教育が書き込まれている。

そのフィールドワークの代表である私は、にもかかわらず数値化できないコミュニケーションや言葉を、どのように仮の数値により説得できるのか、アンケートとタウンミーティング、ワークショップのあり方を考えている。

このあたりを考えず、ルーチンワーク化されたモビリティ・メネージメント(MM)さえやれば良いというのでは、社会現象は評価できない。施策にならない。人々とともに現場で考える、個々の地区に適したMMが必要なのだ。

「あ~、難しい話や! どないせー言うねん?」     「それも自分で考えよ」

◆参考◆二クラス・ルーマン『システム理論入門』

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