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2009年1月11日 (日)

所正文『高齢ドライバー・激増時代:交通社会から日本を変える』

交通は社会の縮図である。イギリスでは一時停止の標識は「give way」である。日本では「とまれ」。交差点には信号がなくロータリーに譲り合って入り、出て行く。日本では、赤で無理やり停めるから、黄色で突っ切ろう、急いで右折、交通事故となる。日本は、「give me the way」なのだ。人口10万人あたりの交通事故者数は、米14.5人、仏9.2人、独7.1人、日6.7人、英5.6人 である。譲り合いのイギリス、give meだが規則を守る日本というところか。

2020年には2000万人の高齢者が自動車運転をするという。一年でも長く、便利なクルマをgive meしたい。高齢者が引き起こす死亡事故が3倍(1990年比)になっても、高速道路を逆送する認知ドライバーが増えても、それは例外で、自分だけは、もみじマークを拒否し、succesful aging をgive me

したいと日本の高齢者は考える。

「危ないから運転はやめよう」といわれたとき、それを素直に受け入れるためには、高齢者を気遣う人間関係=安心できる社会が必要だ。気遣った公共交通やデマンド交通が必要なのだ。逆に言えば、日本の社会は、高齢者に気遣いがなく、公共交通も弱体化しつつある。こうしたなか、高齢者はsuccesful aging に固執せざるを得ない。高級外車にしがみつく高齢者の姿は、あまり豊かとは言えないのかもしれない。

むしろ、安心してクルマを手放しできる社会、歩いて暮らすなかに互いのコミュニケーションがある社会での幸福、病気や機能低下があっても安心して暮らせる productive aging が重要だ。北海道伊達市はそれを実践しているという。3月に札幌で講演をするとき、行って見ようと思う。(pp135-155)

私は、54歳にしてクルマを手放した。その結果、行けなくなった温泉もあるが、阪急沿線で発見した温泉もある。人生の時間は同じである。クルマがあれば実現できる幸福以上に、クルマがないから得られる幸福もある。どんな状況でも、積極的に幸福を見出せるproductive aging 。それを支える公共交通の整備、コンパクトなまちづくりが今、求められている。

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