49番浄土寺:お遍路とクルマトラブル
第49番札所浄土寺は、伊予鉄久米駅前の狭い住宅地のなかにある。バス駐車場もお寺から距離がある。乗用車は狭い路地から門前駐車場に入る。
納経所では、賃借している駐車場代のささやかな志納を求めているが、支払わないクルマ遍路も多い。挙句、「看板がわかりにくい」「バス駐車場が遠い」とクレームがつく。なかには、個人の門前にクルマ遍路が駐車し、隣家と争論し住職が呼び出されたり、狭い道に隣家の庭木の先を折りつつ、マイクロバスが無理やり進入することもあったという。年々、クルマ遍路のマナーが悪く、エンジンをふかす、タバコを吸いながら境内に入る、ゴミを置いていく、注意をすれば、居直る、逆切れする…。
クルマは便利だ。体力のない方、時間のない方も遍路ができる。しかし、クルマ遍路が増えるなかで、四国の方々が持っているお遍路に対する信頼感が、今、揺らいでいる。クルマによる個人消費主義、少しでも歩くのが嫌、少しでも時間をとられるのが損、停めるのはタダ・サービスだという主張が横行している。札所と近隣住民の困惑の前で…。
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