和歌山電鐵の志:タマ駅長は神様
たま駅長、いちご電車、おもちゃ電車など、ユニークなイベント50回/年間 で知られる和歌山電鐵。元南海貴志川線の存続運動を受けて、2006年、岡山電気軌道(両備ホールディングス)が「日本一心豊かなローカル線」をめざし、経営を引き受けた。責任ある関係者にお目にかかった。
両備グループの経営理念は、社会正義×お客様第一×社員の幸せ=忠恕(心からの思いやり)だという。今でいうCSRの徹底か。地方公共交通が苦しいなら、その再生に関わろうと考えている(和歌山電鐵、中国バス)。和歌山では鉄道再生のモデルをめざした。もちろん、沿線人口、平行道路の状況、観光資源、従業員給与水準の効率化可能性、など、経営可能性を判断した上である。
運営委員会で地元意見を反映させ、社員が考えたことは何でも実行、良いものを残した。
公共交通の運営には、志が必要と思い知った。良い志には神宿る。神が存在することを証明することが困難であるのと同様、存在しないことを証明するのも難しい。神が存在するかどうかわからないなら、タマは和歌山電鐵の志とそれに応えようとするサポーターに使わされた精霊と考えたほうが、皆が元気になる。タマは霊であり、人々の心の寄り集まった魂である。心を寄せ合い、故郷の未来を考える公こそ、公共交通の原点である。
「心の清い人たちは幸いである。彼らは神を見るであろう」(マタイ伝5章8節)
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