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2009年1月

2009年1月31日 (土)

和歌山電鐵の志:タマ駅長は神様

たま駅長、いちご電車、おもちゃ電車など、ユニークなイベント50回/年間 で知られる和歌山電鐵。元南海貴志川線の存続運動を受けて、2006年、岡山電気軌道(両備ホールディングス)が「日本一心豊かなローカル線」をめざし、経営を引き受けた。責任ある関係者にお目にかかった。

両備グループの経営理念は、社会正義×お客様第一×社員の幸せ=忠恕(心からの思いやり)だという。今でいうCSRの徹底か。地方公共交通が苦しいなら、その再生に関わろうと考えている(和歌山電鐵、中国バス)。和歌山では鉄道再生のモデルをめざした。もちろん、沿線人口、平行道路の状況、観光資源、従業員給与水準の効率化可能性、など、経営可能性を判断した上である。

運営委員会で地元意見を反映させ、社員が考えたことは何でも実行、良いものを残した。

公共交通の運営には、志が必要と思い知った。良い志には神宿る。神が存在することを証明することが困難であるのと同様、存在しないことを証明するのも難しい。神が存在するかどうかわからないなら、タマは和歌山電鐵の志とそれに応えようとするサポーターに使わされた精霊と考えたほうが、皆が元気になる。タマは霊であり、人々の心の寄り集まった魂である。心を寄せ合い、故郷の未来を考える公こそ、公共交通の原点である。

「心の清い人たちは幸いである。彼らは神を見るであろう」(マタイ伝5章8節)

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2009年1月30日 (金)

【更新情報】「長屋の住み方」をUP

寝食分離という理念で戦後の団地2DKを開発した西山卯三先生と、少し世代が異なる森栗の長屋暮らしを比較し、日本の長屋誌を『都市住宅学』に書いた「長屋の住みとその評価について」をUPしました。建築学・都市計画学では、不良住宅・木造賃貸密集問題地区として、殲滅すべきものとされてきましたが、長屋の大切さ、意味を記述した論文です。まちなかの暮らし再発見、まちあるきのブームのなかで、参考になるかもしれません。

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2009年1月29日 (木)

赤バス(大阪市)

Img_0406赤字11.5億/年を垂れ流し、ぐるぐる回って乗りづらいといわれる大阪市の赤バスは「廃止を前提に検討」と答申されている。昨日、80分かけて、城東南循環に乗った【長すぎる】。運転手さんや乗客によれば、確かに誰も乗らないのにぐるっと回るところもあるが、こうした小さなバスしか入れない地区もある。運転手も、「高齢者には、路面からバス車体までの30cmが辛い」と歩道の縁石に限りなく近づけ停めている。 

Img_0404高齢者の椅子付押し車も、空いているときには、バスの椅子を跳ね上げて、他乗客に配慮できる。こうした人々の暮らしを、どう維持するかは知恵のいるところである。居合わせた乗客によれば、200円で良いではないかという。無料の敬老乗車証も、所得によって配り、半額負担にして、この制度は維持してほしいという。

各区ごとに平等に配分してきた赤バスは、その必要性を見直すべきだが、いっそ既存バス路線の中で、赤バス化したほうが良い路線もあるのではないか。また、交通局直営で高コストなら、区ごとに、■幹線以外の各区域を越えた生活路線を改善し、■削減したコストを明示し、■その原案を関係区の市民会議に提示し、交通局も含めて委譲・委託のコンペを行えば良い。評価判断するのは、区がサポートした市民会議である。

どんなやり方をつくしても、赤バス的なサービスは、「コスト高・無駄回り・少ない便数の現行赤バスを廃止し」、すべての生活バスを赤バス的機能を含めて改善する必要があろう。

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2009年1月28日 (水)

さくらやまなみバス利用促進協議会(西宮)

File0004_3 昨夕、西宮市北部、六甲山北側の山口地区で、第4回さくらやまなみバス利用促進協議会があり、参加させていただいた。

西宮市山口地区は、鉄道の駅もなく、交通至便な西宮市旧市街(南部)とは、細い山道(七曲)のみ。むしろバスで、南に有馬温泉、北に三田市、東に宝塚につながっていた。1991年西宮北道路ができ、西宮市旧市街と西宮北インター(山口地区)とが結ばれ、クルマでは往来しやすくなった。

しかし、子どもたちの通学、高齢者や主婦(つれあいがクルマで出勤)の旧市街への外出には、宝塚までバスで出て、阪急今津線を南下、西宮北口駅からバス・タクシー、さらに今津南線:今津駅で阪神電車に乗り換えるしかなかった。

山口地区から南北バスの声があがったが、費用負担の問題もあり実現しなかった。昨年の実証実験を経て、この4月から、16年の悲願として本格運行となった。File0002

お話を伺っていて、これは大成功、「化ける」と思えてきた。住吉台くるくるバス、山口市市民交通計画など、交通に関わり5年、私が関わったものは、全国区で成功事例として有名である。【自画自賛】

山口成功の予感は、

①地元が応分の負担をし、単なる路線バス開発者負担のみならず、運営基金をもとに、より利用しやすくする協議を(阪急バス、西宮市、自治会代表)し、計画のみならず、アンケート、パンフレット配布、講演会などのイベントを企画し、シェアホルダー・プラットフォームとして機能し、「黒字を目標に育てる」と宣言している。開通は、第一歩と認識。

②事前に中学生以上の全住民への個人対象モビリティマネージメントを行い、意識を広めようとしている。

③開通前に、試乗会を行い、回数券、定期券販売、終点西宮北口の阪急西宮ガーデンズなどの説明などの話も出た。

④バスのデザインが上品である。全部、新車。

⑤地元は行政要望だけでなく、自ら考え、あれもこれもではなく、持続可能なように妥協し、行政はそれを受け止めサポート役に徹した。ルートは、阪急、阪神、JR主要駅、市役所を網羅している。

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2009年1月27日 (火)

路線バス事業は儲かる!「えっ?」

授業の合間をぬって、某新規参入の路線バス事業社長と面談した。わざわざ、遠くからお越しいただいた。売り上げを飛躍的に伸ばしたと噂される会社である。

路線バス事業は、モータリゼーションのなかで不採算となり、2002年までの規制緩和「参入撤退の自由」で赤字路線からの撤退をくりかえし、昨年の原油高騰で極めて厳しい。自治体の赤字バス補助も困難となり、頼みの高速バスも、路線でないツアーバス(停留所を維持したり、誰も乗らなくても走らせる、社会インフラとしての責任コストがない)に攻め込まれ、地域公共交通会議など、自治体の会議にも出ねばならない。

苦しいはずである。しかし、実際は、①長年の地域独占の余波で、顧客ニーズをつかめず、サービス経営ができていない。②労務管理が安全のみで、運転手・運行管理は顧客サービス・地域貢献の視点で仕事をしきれていない(ex.無愛想とか)③大手の管理者は地域ニーズをつかめず、つかんでも動きが遅い ④マーケッティング概念と、経営戦略がない ことに起因しているのかもしれない。

置き去られたのは、過疎地の住民であり、運転できない高齢者、子どもたち、それにこれまでバスを利用してくれた人々である。元気高齢者は85歳になっても、苦しくとも自動車に乗らざるを得ず、学生は危なくとも原付で走りまわらなくてはいけない。中高校生は、猛スピードで自転車をこぐ。障害者は移動できない。妊婦は、胎動を感じつつ遠くの産科に自分で自動車を運転して行く。

このバス事業者は、住民ニーズに合わせたサービスで乗客を増やし、原油高騰以来のクルマ離れを、増便、深夜バス、幹線とタクシーの接合、自社以外の路線・鉄道・公共施設などを入れた「生活地図」、待合所や屋根付バス停などのサービスで業績を上げてきた。今般、住民協働型の議論の場を作ろうという。行政ではない。バス事業者が考えているのだ。

曰く、我々も商売人です。新しいビジネスを立ち上げるときには、撤退を前提として考えています。でも、撤退するときのソフトランディングの二の手、三の手を考えておくと、一つの路線が成功したとき、二の手、三の手が、新しいビジネスのタマになるのですと。

要は、バス事業がダメなのではなくて、脱クルマオンリー社会への始動に鈍感で、地域のニーズに無関心で、大きすぎてニーズに対応できない、既存事業者の経営姿勢が問題なのだ。その際たるものが、自治体交通局赤字バス問題である。

この40年、急激にすすんだモータリゼーションが、これから20年、高齢化・若者のクルマ離れのなかで急激に変わるのは、歴史の必然である。

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2009年1月25日 (日)

25日、都市ツーリズム総括(中之島センター)+適塾

本日、中之島センターにて、都市ツーリズム論最終【総括】。「都市ツーリズム論総括」

参考「湖北の生活交通の現状と住民協働による持続的政策」(最近の業績/学会研究会の発表/『日本生活学会第35回研究発表大会梗概集』11-12頁、2008年10月

午後、京阪中之島新線でなにわ橋駅、構内アートスペースを見学。上がるとすぐに中之島公会堂の美しい姿が見え、地下食堂:名物大正ロマン「オムライス」を食べる(写真)。Img_0399 食事後、大阪大学の起源、適塾を訪問。オランダ語辞書を見て、先学・塾生の大部屋での勉学に思いをはせる。今後も適塾での教育は必要と痛感。何のために勉強するか!である。さらに、もうひとつの起源、懐徳堂跡を訪問し、道修町、日本一長い天神橋筋・天満天神繁盛亭を見学した。

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2009年1月24日 (土)

宮澤賢治の羅須地人協会を訪問

宮沢賢治が花巻農学校教諭を辞し、羅須人協会を起こして、科学的農業と文化を実践しようとし、病に臥して挫折した旧宅が、花巻農業高校内に残る。 Img_0395

入り口にはImg_0394 Img_0391

賢治が生徒に贈ったマント。風の又三郎のモデルとも

Img_0392人々の語り合いを想像せしめる。挫折が、理想を高めていったのであろうか。恥ずかしながら、我は何を為すべきか。

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2009年1月23日 (金)

住吉台くるくるバス4周年記念の守る会

1月23日は、くるくるバスの開通記念日。みんなでバスの開通を祝い、バスの窓からみんなで万歳したことは生涯忘れえぬ記憶です。Cimg0721 今日は、4周年のお祝いがありました。

面白い話を伺いました。東灘区では、小さいバス、地域を回っているバスは、市バスであろうが、送迎バスであろうが、みんな「くるくるバス」と呼ばれているようです。くるくるバスという言葉は、東灘区では普通名詞として市民権を得たようです。新たなくるくるバスが、他の地域から出てくることを、区役所が市民の声に耳を傾け、動いてくれることを期待します。

「くるくるバス通信」25号(2009年1月23日発行)をみると、みなでバスを走らせた記憶が、住吉台住民のコミュニティ力をアップしたことがわかります。曰く

4周年おめでとうございます。三百段階段が上がれなくなった時が引越しのときと思っていた矢先のバス運行、何よりの贈り物でした。車は持ってはいるものの、車庫に入りっぱなしの状態で・・・(略)・・・バスの運行によって、暗くなっても安心して帰れ、終点には運転手さんが常におられるので地域の安全につながっている・・・(略)・・・車の往来も減り、他人の顔が見え、長年住んでいながらお互い知らない人達でしたが、今ではご近所の方々と挨拶も出来るようになり、顔なじみができてコミュニケーションもとれるようになった・・・(略)・・・バスの運行にあわせて自治会も出来、ゴミステーションには季節の花があり自治会の皆さんが交代で世話をされ、優しい町になったような気がします

六甲山からハイキング下山された方から「くるくるバスのバス停は?」と時々尋ねられます。その時、とても嬉しく自慢げに話している私がいます。

「くるくるバス」を利用させていただきだして、自然豊かで大好きな住吉台にずっと住み続けられる自信がついた様に思います。他の地域の人に、「くるくるバス」の説明をする時、誇らしく自慢している私に驚くときがあります。

住民協働でバスを走らせるということは、地域の利便をもたらすだけでなく、地域を育て、こんな意識の高い市民を育てる。サスティナブルコミュニティ、コンパクトタウン、エリアマネージメント・・・。言葉は簡単ですが、地域価値を向上させ、持続させるためには、交通がキーワードです。公共交通は、単なる移動手段ではなく、コミュニケーションと誇りそのものなのです。

住吉台こそ、日本のコミュニティのあるべき方向を示唆している。自治体職員はいうに及ばす、大手の鉄道・バス会社や、自動車会社の幹部がこっそり見に来たと噂に聞きました。

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岩手運輸支局で講演

盛岡で地域公共交通の再生に関する講演をしてきた。ワークショップ方式でまとめをした。そりゃ無理やで時間もないし、立場がある役人は自由に喋れんで、しかも東北だし、押し黙ったら困るなあと思ったが、運輸局の担当が一生懸命思い込んでいる。打合せもなく、仕方なくやってしまった。

一日かけて、私の地域交通施策漫談、昼食後、連携計画を活用した計画・事業展開の先進事例、法定連携会議と補助メニュー・作業の説明と続き、小休憩があって、ワークショップ。

心配そうに見守る運輸局・運輸支局の前で、4班に机移動し、座席指定で初対面の役人6人が机をあわせ自己紹介。最初はぎこちなかったが、「ウチでは◇に困っている」「ウチは▽をしようと思っている」と勝手にどんどん盛り上がる。姿勢を低くして様子を伺い、耳を澄まし、ひたすら喋らないようにした。30分程たった頃、ポストイットに、「得た知識」「今後実践してみたいこと」「質問」を自由に書いてもらった。この頃には、「隣のカンニングOK,おしゃべりしながら書いて」と混ぜ返すとにぎやかに。班毎にまとめる頃には立ち上がってポストイットを分類し議論。時間もないし、ワークショップの形式にこだわらす、代表がその場で口頭で発表。

ただし、発表者の名前を言ったときに、全員で拍手。課題共有を意識化した。それを、私がリアルタイムで「知識」「実践」「質問」で分けて、パソコンで整理し投影する。みんなニコニコしている。

岩手県の行政担当者は、課題を共有し、格段に問題意識、いや課題解決の意欲がさらに高まった、お互いのネットワークが深まった。岩手県民のみなさん、今後を期待してください。こんな、役人研修もある。やっぱし、一方的な研修より、語り合い、聞きあうことが、実践力を高める。岩手人も、役人も人間。よく喋る。人間は喋りたい。コーディネーターは、いかに、黙るか、耳を澄ますか、その上で果敢に状況判断するかが大切だと、知った。

事後、不安そうにしていた担当Sさんと私が、がっちり握手したのは、いうまでもない。ありがとうございました。

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2009年1月21日 (水)

世に遠い一つの湯治場

岩手花巻空港から送迎バスで30分。山ふところ、トンネルをはさんで、グルッと20弱の宿が環になって並ぶ湯治場がある。Img_0396 硫黄系、硫酸系など湯質、量豊富。ひと風呂浴びて、タオル片手に下駄、単全で、細長い湯治場一回り。ところが、最奥の公営温泉からかなり上がって、雪道を下駄で歩くはめとなったとき、突然バスがすれちがえる程の大きなトンネル。トンネルを出て山を切り分けた雪の舗装道路を行けども行けども、一回りできない。あわや、単全で遭難か?「なあんだ、奥の施設にバスを入れる為?」と、「湯治場のメルヘン」の夢が消え落胆して歩いていると、通りかかったオバアが「ンまっ、歩きなさったかい」と心配してくれる。夢想と、公共事業の現実批判を口にすると、昭和24年の火事で、下からだけでは消せず、奥へ奥へと延焼したから、上にトンネルを通したという。
 メルヘンでも、公共事業依存でもない。地域には地域の生き方がある。そんな現実を通りすがりに、語りかけていただいた。そんな語りかけのある湯治場、台温泉であった。

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2009年1月20日 (火)

過疎地鉄道のニーズ開発

いわて銀河鉄道では、高齢者が通院で盛岡に行く時、運賃を85%(介護同伴65%)に割引(あんしん通院切符)。しかも、アテンダント(ワンマン電車内で有償ボランティア)が、乗車確認しカイロや膝掛けを配る。最寄り駅無料駐車場や盛岡駅乗り合いタクシーを携帯で手配してくれる(指定病院は@200円)。
確に高齢者の運転には課題が多いが、近所の駅までなら、安心。町に出ると、混乱する高齢者も多い。家族も最寄り駅までなら、送迎可能なケースも多い。
(読売新聞岩手版2009年1月20日)

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【今日の授業】大阪市バス改善【更新情報】授業資料

【今日の授業】大阪市バスの改善策を、資料「大阪市バス改善(下)」に基づき、議論した。敬老パスが高齢者の増加により、大きな財政負担になっているなら、一定収入・資産のある人は、半額負担していただき、その分で学生や子育て世帯、離職の若者を半額にするとか、世代間均衡をはからないと、活気がでないし、財政破綻する。また、御堂筋をバス・タクシー・自転車、それにトラム型バス専用にするとかの議論が出た。来週は、みなと観光バスの松本社長にお越しいただく予定。

【更新情報】大阪市バス改善に関わる授業資料を、上記も含めアップした。新フォルダー「授業資料」を参照ください。

本日、これより、盛岡講演旅行

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2009年1月19日 (月)

過疎自治体財政を圧迫するもの

大阪府の赤字は、信用保証協会、水道事業、病院、大学【道州制時代の大阪(2006.12.16)(府議会調査特別委員会)】他に、土地開発公社の塩漬け土地があると思われる。大阪府が大阪市と水道事業を合併しようとしているのは、故のあることである。ところが、地方の過疎地では、過大な下水道事業が地方財政の足を引っ張っている。表1は、わが国の市町村人口別の一人当たり下水道管きょ延長である。File0006_2当然ながら、過疎地では設置費用が高くなり、維持費も高くなる。

 某町では、H19年度末で下水道14.9%をH22年度37.9%にするが、下水道・農業排水・浄化槽あわせても、65.3%が77.8%に上がる程度である。要は、過疎地のなかで、比較的人家が密集している浄化槽を集中下水にし、右肩あがりの計画人口にもとづき工事を進めている。
File0010_2  これは笑い話ですまされない。そのため、下水道料金をH19年に値上げし(基本料金で1800円→2200円)、しかも一人当たり整備事業費が、417万円の地区がある。特別環境整備下水道、農業集落下水道、漁業集落下水道維持費に毎年約8億円の赤字、さらに毎年、人件費・地方債特別償還金・利息払い・建設改良事業をあわせて約5億円、一般会計や地方債をやり繰りし、結果、H20年末、地方債償還金残額45億円。
 この町は、下水道事業で破綻しかけている。もはや、浄化槽の設置費を、高齢者世帯を中心に補助した生活支援施策に転換すべきだ。国の縦割り補助に頼る、農業土木依存中毒は、町と土建会社のチキンレースのなかで、どんな長寿な町も、豊かな自然の島も、今、維持できない。地方分権が急務と、学部生の発表から学んだ。(大阪大学高山研究室田旻君発表)

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2009年1月18日 (日)

六甲全山縦走路を歩く

最近、運動不足。晴天に思い立って、180円で岡本駅まで行き、山に向かえば何とかなるだろうと、歩き出した。梅林を越えると、ガサガサ音がする、ひょっとすると思い、横に眼をやると猪がいる。ヤバイと思い、手を打ち、こちらの存在を知らせつつ離れる。六甲山では、人家に降りて来た猪の被害が後をたたない。砂防ダムの横、ゴルフ場を越えて森林浴。ハイキングコースは整備され、至る所に地図と行先が表示されている。

いつの間にか雪道となり、山頂近くの一軒茶屋。道路が走っており、クルマでも簡単に来れるが、歩いて登った茶屋の昼食は格別。きうねうどんとカレーライスというでんぷんコンビを食べて、六甲全山縦走路(須磨一の谷~宝塚)の東端を歩く。厳しいアップダウンだったが、冬の山は美しい。急坂を降りて、塩尾寺・甲子園大学を通過。20年前勤めていた職場、センター試験の会場になっていた。そういえば、今年はセンター試験の当番ではなかった。そそくさと通過して、昔、通った急斜面を降りる。ハイキング道のままの厳しい斜度に住宅がある。こういう住宅地は、高齢化するとどうなるのだろうかと思いつつ、宝来橋を渡って駅に到着。阪急電車180円で自宅に戻る。

我々の背後には六甲連山がある。大都市の真後ろに1000m弱の「青い山脈」がある。眺めて良し、歩けばもっと良し。恵まれている。これはいくつもの横ずれ断層で切り立ってできた。100年を越える長い周期で繰り替えす関西の大地震は、淡路島から六甲山に続くこの断層がもたらす。その山裾に、「まさか地すべりは起きないだろう」「関西はエーとこや、台風も来んし、地震もない」と暮らす。そして、齢を重ね、坂を登るのも、自動車に乗るのも苦痛になったときのことは考えない。

震災はそんな暮らしを直撃したのだ。我々の暮らしのありがたさとともに、自然や生物としての我のあり方に思いをはせ、山を歩いた。
Rokkouzan

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2009年1月17日 (土)

1月17日

沈思黙考。

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2009年1月16日 (金)

奥山修司『おばあちゃんにやさいいデマンド交通システム』

Okuyama61 各地のコミュティバスは、コスト面で困難となり、乗合タクシー(路線型・デマンド型)が模索されている。そのデマンド型の先進事例、おだかeまちタクシーを開発した奥山先生の著書を見ると、徹底したコスト計算がされている。

利益率をみこんで、2201円/h(ガソリン車)、1947円/h(ディーゼル車)というのが常識。これは、日本のタクシーの時間当たりの営業収入にほぼ合致。(pp60-61)

福島県小高町の実証実験では、2300円で始めたが、事後2100円に値下げしてもらったようだ。

事業者は、「それでは最低賃金ぎりぎりの運転者は食べていけない」というが、違う。運転手が食べていけないのは、歩合制によるものであり、経営者は台数を増やせば食べていっている。運転手のことを考えるなら、月給制にすれば良い。積み上げ方式で契約運賃が高いから悪いのではない。コストが高すぎると、事業の継続性が担保できず、住民に迷惑がかかる、いや、命をかけて事業をはじめたタクシー事業者にも迷惑がかかるからである。地域交通事業を支援する行政は、打出小槌を持っているわけではない。

3月に札幌の運輸局講演会で、奥山先生とご一緒する。北海道の皆様ともども、私も楽しみにしている。

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2009年1月15日 (木)

にしきた商店街作戦会議

Img_0379 光栄にも、私、転居7年で、地元、にしきた商店街顧問にさせていただいた。

阪急西宮北口は、神戸線、今津南線(阪神電車連絡)、今津北線(宝塚連絡)や、空港リムジン、路線バスが集まる、阪神間有数のターミナルであり、南西に芸術文化センター、北東に生協や公的施設の入るアクタ再開発ビル、南東に西日本一の阪急ガーデンズが、このほど開店した。北西の路地に、個性の強いレストラン・居酒屋・画廊・証券会社などが続き、学生やサラリーマンの酔客でにぎわう、「にしきた商店街」はどうなるか?昨日作戦会議を開いた。

芸文センターとの連携、川沿い遊歩道、駅前公園の整備などの話のなかで、自転車問題を解決して、安心して歩ける商店街にしたいという声が強かった。昨日の集まりが、その母体になろうということになった。

次に、ガーデンズの商業影響は、意外にも「あふれた客が、珍しさ見学の客が、商店街に流れてきて、お客は多い」とのこと。いつまで続くかどうかはともかく、ガーデンズや芸文センターの観覧客に、にしきた商店街の存在を知らすことが重要と思われる。

そこで、森栗提案「情報の共有が、まちの集客総合力(まちの魅力)を決定する。集客力があっての、個別商業分析であり、商業分析から集客をしようとしてもアカン。阪急の商業分析の前に、個店集積の商店街は勝てない。そうではなくて、協力して回遊性を高める、集客力をあげる」

具体策(森栗我田誘水)

第一策・・・阪急ガーデンズの職員に、にしきた商店街の魅力店舗・川並・奥深い路地の面白さを探検してもらうための紙「にしきた奥地、探検ツアー」を、ガーデンズ職員(5000人)休憩所に置かせてもらえたら、どうだろうか。お客様の前に、まず従業員に西北を知ってもらいたい。好きになってもらいたい。奥には、大河「津門川」や、古代魚「鯰」、翼恐竜「青鷺」などがいる。駅前には金融部族「銀行」「証券」が、中央には「画廊」「花屋」、最奥には若者に人気のレトロ「ビーズビー」、そのまわりを個性的な居酒屋、レストランがとりかこむ.。西日本一の塾の都:塾通い小人がいっぱい歩く(にしきたを知らずして、灘の門は開かない?)。・・・

第二段階・・・ガーデンズ、アクタ、芸文センター、にしきた商店街の共通情報ポスター、チラシをつくり、毎週、個々+駅に置き、張り出す。地元全体が活性化することは、駅も阪急不動産も理解してくれるだろう。

第三段階・・・4つのアミューズメントの総合ポータルサイトを作り、4つの地区や駅に置いたディスプレーに流し、常に何かできごとがある街、できごとがわかりやすい街にしtげおく。

目標・・・芸術、地べたの暮らし、巨大ショッピイングのアミューズメント、日常買い物が回遊できるような、百万都市阪神:随一:梅田・三宮と並ぶ商業回遊集積ゾーンになりたい。

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2009年1月14日 (水)

【更新しました】震災復興:地蔵コミュニティ

アイウォークで、柏崎みなさんに会い、災害からの復興途上の皆さんのことが、頭から離れない。お忙しいなか、震災から14年、災害や復興から少し離れたこのブログにも眼をやっていただいているようだ。最近は、交通以外に関心が向かなかったが、申し訳ない。

何かの参考?と、商工混住地域長田の復興10年と減災と町の課題『都市住宅学』を「最近の業績:論文:2005年」にアップしました。また、震災直後は、地蔵:密集市街地の暮らし方と災害の関わりに関心があり、書き溜めたものがある。また、それから派生した「まちあるき」の資料もある。「20世紀の業績」に地蔵と震災コミュニティとしてまとめました。あまりに多く、マニアックで、出版を断られました。が、関心のある方もあると思います。若干未整理で恥ずかしいが、アップしました。

今、一生懸命の復興途上の皆様には、何の役にもたちませんが、災害は悪いことばかりではありません。地域の生き方、まちのあり方・本質を考えさせてくれる機会でもあります。阪神では、こんなことにこだわった男がいたのだなあと、チラッと見ていただければ幸甚です。

民俗学、文化研究の若い方には、役に立たないと思われる文化研究も、こんな深みからまちづくりや地域づくりに関われる、そのきっかけが災害だったことを知っていただき、自信を持って文化研究をすすめてください。お金に換算できないもの、見えない思い、役に立たない・問題地区と思われた長屋の暮らし・・・。そこにこそ、未来への展望があることを、震災は教えてくれたのです。

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2009年1月13日 (火)

自家用三輪車のある暮らし:脱クルマ生活

Img_0377 本日、仲間が自宅に集まりパーティ。

イカン!飲用湧水と暖房用灯油がない。昔で言えば、婆は川へ水汲み、爺は柴刈に。我が家の現状は、爺が三輪車で、ホームセンターに灯油18ℓ×2缶を買出しに、続いて芦屋に六甲湧水をいただきに、婆は家屋内整理・掃除機がけである。(写真:自宅庭にて)

阪急西宮北口駅から徒歩6分、転居してから自家用自動車に乗らない。「じゃあ」ということで、54歳でクルマを手放した。ところが、安い灯油を買おう、無料の芦屋湧水へ行こうとすると、18ℓの液体缶は、通常の自転車では重心が高くなり不安定。2缶は不可能。

そこで、この荷台付自転車を購入。安価な中国製大量生産自転車をイメージすると、びっくりする価格だが、全体の車軸と、荷台部分の横軸とが、直結しておらず、あそびがある。後輪が段差に乗り上げ斜めになっても、車軸は倒れない。曲がるとき、前輪が斜めになっても後輪は安定している。

難点は、高齢者を意識して造られているのか、めいっぱいサドルを伸ばしても、175cmの私には低い。その為、力が入らず、国道ではスピードが出ない。まあ、急ぐ必要はないが…。もう一点、「三輪車」という名称。現場看護学の黒田裕子さん(震災以来の友人)に、人は、育ったように老いていく、その辛さを理解しなければいかないとうかがった。歩くのが難しい⇒補助具を押しても難しい⇒寝返りも難しい…。自動車にのれない⇒三輪車?…。54歳にして、この先を予期するようで、ちょっと辛い。できたら、「三輪車」改め「荷台付自転車」と商品名を変えて欲しい。サクセスフルエイジングにこだわらんので(1/11記事)、エーけど…。三輪車、ねえ?(ため息)

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2009年1月12日 (月)

こうべiウォーク2009(あいウォーク)神戸

1月17日が近づくと、私は少し辛い。個人的には、まちづくりへのきっかけだが、報道や研究会と、私の思いはズレる。報道は、何か悲惨な記憶、慰霊、もしくは復興成功のトピックを手短に伝えたいとあせる。災害復興の研究会は、支援制度や都市計画・防災計画、金融・法制度に関心が向けられる。それぞれ意味のあることだが、民俗学者としての私は災害から生まれた価値観・まちの生き方に関心が向く。

今年は17日(センター試験)を避け、1月11日(日)アイウォークを市民基金こうべらが実施した。アメリカのエイズウォークにヒントを得、神戸復興塾(神戸まちづくり研究所の母胎)のメンバーが、ウォーク参加者に寄付金を募る方法で1999年から3年間実施した。エイズウォークでは、参加者が職場で寄付を集め、それを持参し歩く。1回で、千万円・億円単位の、市民活動のための寄付を集めたという。市民活動を、市民自らが支える仕組みだが、アイウォークはそこまで至らぬ間に、兵庫県が記憶継承のためのメモリアルウォークを実施したため、撤退。

昨日、久々に復活し、長田区鷹取ー丸五市場ー御蔵間を歩いた。復興塾の懐かしい面々に出会った。鷹取東で消防団・自治会活動を続ける古市さん(映画「ありがとう」のモデル:震災後プロゴルファー転進)もかけつけてくれた。また、新潟県柏崎の中越沖地震復興の途上のみなさんの参加を得た。災害をきっかけに結びついた仲間が再開し、新たな災害のなかで模索する人々とが出会う。人の幸福が、復興した街並みや家だけではなく、こうした内外の出会いのなかにあるとすれば、災害は不幸ばかりではない。こうした機会をも提供した。市民活動支援基金も、25万円近く集まった。この程度の規模なら、事務局は大変だが、来年もやってみたい。1月10日?

【写真】災害時の医療活動と、復興時の医療・福祉連携について説明する神戸協同病院上田院長(神戸まちづくり研究所の仲間)Img_0375

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2009年1月11日 (日)

所正文『高齢ドライバー・激増時代:交通社会から日本を変える』

交通は社会の縮図である。イギリスでは一時停止の標識は「give way」である。日本では「とまれ」。交差点には信号がなくロータリーに譲り合って入り、出て行く。日本では、赤で無理やり停めるから、黄色で突っ切ろう、急いで右折、交通事故となる。日本は、「give me the way」なのだ。人口10万人あたりの交通事故者数は、米14.5人、仏9.2人、独7.1人、日6.7人、英5.6人 である。譲り合いのイギリス、give meだが規則を守る日本というところか。

2020年には2000万人の高齢者が自動車運転をするという。一年でも長く、便利なクルマをgive meしたい。高齢者が引き起こす死亡事故が3倍(1990年比)になっても、高速道路を逆送する認知ドライバーが増えても、それは例外で、自分だけは、もみじマークを拒否し、succesful aging をgive me

したいと日本の高齢者は考える。

「危ないから運転はやめよう」といわれたとき、それを素直に受け入れるためには、高齢者を気遣う人間関係=安心できる社会が必要だ。気遣った公共交通やデマンド交通が必要なのだ。逆に言えば、日本の社会は、高齢者に気遣いがなく、公共交通も弱体化しつつある。こうしたなか、高齢者はsuccesful aging に固執せざるを得ない。高級外車にしがみつく高齢者の姿は、あまり豊かとは言えないのかもしれない。

むしろ、安心してクルマを手放しできる社会、歩いて暮らすなかに互いのコミュニケーションがある社会での幸福、病気や機能低下があっても安心して暮らせる productive aging が重要だ。北海道伊達市はそれを実践しているという。3月に札幌で講演をするとき、行って見ようと思う。(pp135-155)

私は、54歳にしてクルマを手放した。その結果、行けなくなった温泉もあるが、阪急沿線で発見した温泉もある。人生の時間は同じである。クルマがあれば実現できる幸福以上に、クルマがないから得られる幸福もある。どんな状況でも、積極的に幸福を見出せるproductive aging 。それを支える公共交通の整備、コンパクトなまちづくりが今、求められている。

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2009年1月10日 (土)

『デザインが「交通社会」を変える:美しい国土、魅力』

JR九州の列車に乗った人は、その「ぶっ飛び」デザインに驚く。できるだけ無機質、軽量・効率的かつ快適空間を求める傾向にある公共交通の車両が、九州では何か違う。語っている、主張している。しかも、座っていると、その語りが、心地よい。

そのデザイナー:水戸岡鋭冶さんへのインタビュー(pp.106-137)が面白い。

九州新幹線つばめに、天然木や藺草を使っているが、文化の地産地消だという。芸術を主張するのではなく、利用者の心地よさ・遣い勝手、機能を追及していったら実はアートだった、というくらいが良いという。しかも、あまねく人に心地よい、ユニバーサルデザインが重要だという。私の言う施策の「施」のことである。金太郎飴のような新幹線駅はダメで、文化が香り、人が地域を学びなおし活き活きと活動できる、奇をてらわず日常に定着するような鹿児島中央駅にしたという。

古い街並みも、壊さず塀を塗り替える、剥げた看板を取り替える、少し整理することからはじめれば良いという。デザインの語りかけは、風の人が地の人に「整理」を語りかけることかもしれない。鹿児島の町にはすばらしい楠があるとか、八代には藺草があるとか…。

そして、良いデザインは、マナーやモラルを向上させるという。九州には、本革クッション・木シートの通勤電車があるが、ビール缶が転がっていない。そういう良いデザインは子どもの情操教育になるとも水戸岡は言う。

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2009年1月 8日 (木)

過疎地交通計画に関する進言:集落支援員制度の活用

Y市市長 様

Y市交通政策課 様

本日のNHK『クローズアップ現代』を見られたでしょうか。若者を22万円/月(2年間)で限界集落に住み込ませ、地域の課題(医療・農業・交通)をすいあげ、専門家に相談し、学生ボランティアなどとのマッチング(行政の後方支援)。ときに学生による農地の雑草刈取、柚古木からの柚ジュースによるアルバイト代抽出、ときに古民家改修体験講座の収入。いろいろな試みが、高齢者を元気にし、地域の持続を模索しつつあるという。島根県地域政策課では、すでに実施。

国は土木支援から転換し、この4月より集落支援員制度をスタートする【公営住宅のLSA(ライフサポートアドヴァイザー)と似ている】。しかし、自治体の縦割りがあり、応募が難しいような感じがします。ゲストは、Y県立大学の小川全夫先生。

ぜひとも、Y市でも、全庁をあげて取り組んでほしい。小川先生に相談し、限界集落の多いT地区で取り組んでほしい。交通だけでは、地域は救われません。交通、医療、農業、それに生活支援が一体となって、取り組んでください。小川先生が県におられることが、チャンスです。至急、動いてください。今年がダメでも、来年、この国の制度にエントリーしてください。この内容は、市長・副市長に届けていただけますよう、御願いします。

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2009年1月 7日 (水)

1月11日震災からうまれたつながり・まちを歩く:アイウォーク

1995年1月17日、私たちは人間・まちにとって何が大切か、価値観を大きく変えました。それから復興まちづくりのなかで生まれた市民文化、つながり活動。それらを思い起こし、市民活動を支援する基金を集める目的で、10年前、神戸アイウォークが始まりました。3年間続きましたが、兵庫県が1・17メモリアルウォークをするので、NPOは撤退しました。このたび、1月11日(日)【県の17日(平日)行事では歩き辛い方もおられる】9:30-10:30に、大国公園(JR鷹取南東すぐ)出発、4kmほどで、みくら公園(高速長田駅南)まで、あれから14年目の長田を歩きます。

みなさん、市民活動寄付1口1000円を持って、まちと人、未来を歩いて考えましょう。友人の寄付金を預かって参加するのもOKです。詳細は下記、神戸まちづくり研究所

http://www.kobe-machiken.org/juku/iwalk09.pdf

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2009年1月 6日 (火)

辻本智子『奇跡の星の植物館からのメッセージ』2007年

昨夕の自宅ポトラックパーティのゲストに、辻本智子さんをお迎えした。神戸空港全体の植栽が上品で、搭乗橋のスパイラルポットにランが植えられていた(今も?)のが印象的。この人の作品であった。

淡路島の夢舞台温室「奇跡の星の植物館」のプロデュースをしておられる。貴重種保存や薬草園、珍種鑑賞を越えて、植物空間のなかで文化を演出、とくに日本的な、季節的なできごと を企画しておられる。ex.1月24日ー3月1日「春爛漫ラン絵巻」など。

左官技術や瓦を使った壁面緑化など、植物の持つネーチャーデザインを活かした試みが展示されているらしい。だから、植物園でなく、植物「館」。

昨年は、兵庫県の観光百選第一位と聞いて但馬高原植物園に行った。湧水、カツラの森、足元の植物の「園」につどう宴・縁・艶・淵。ちょっと遠だが…。それを愛する田丸さん(媛)の思いとともに、但馬の自然の豊かさにふれ、但馬の人々の暮らしに思いをはせる素晴らしい時間をいただいたことを思いだした。

奇跡の星の植物館の入場者の1割は地元、淡路島という(スポットアンケート)。対岸の神戸市が150万人、淡路島が15万人と考えれば、よく来ている。しかし、自給率100%を越える豊かな淡路島の暮らしが類推できるような「館」だったらエーなあ。館の催しや展示が、「奇跡」を越えて、淡路の街なみ景観、暮らしぶり「日常」ににじみ出るような、「館」の内外が融通するような、そのローカルコラボレーションが、都市民をもって羨望せしめるまでになって欲しい。

はてさて、本を見ただけの妄想虚言、勘違いかもしれない。午後から、ちょっと行って、考えてみよう。

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2009年1月 5日 (月)

お地蔵さんと住吉台くるくるバスをリンクしました

本日は、西宮北口駅徒歩6分の自宅に、神戸の観光・ホテル・交通・行政・金融・マスコミの第一線の皆さんが集まり勉強会をする。勉強会といっても、自民党の中□勉強会とは違い、政治的な意図はない(某自治体選挙の前やから、断わっとかんと…)。事後、持ち寄りパーティ。仕事を離れた気のおけない楽しい交流が続いている。

学識的にも政治的にも、権威もナンもない、話がオモロイだけのおっさんの小さな自宅に10人以上が集まってくれる。誠にありがたい幸せである。高校教師のときの教え子:神戸のピアニスト山川亜紀さんも来てくれる。(演奏の一部は、以下に)http://homepage2.nifty.com/shiroi-ehon/Yamakawa-piano-Room.htm

まあ、娑婆はいろいろあるけど、今日一日が楽しければ良い。

【更新の再報】

「住民自らが生み出したバスコミュニティ」『CEL』2005年6月を、最近の業績(その他)にリンクしました。https://www.osakagas.co.jp/cel/pdf/cel_73_15.pdf#search='森栗茂一'

最近の業績講演(その他)に、「お地蔵さん笑てる まち・震災・きづな」(神戸新聞、2003年)http://www.kobe-np.co.jp/rensai/ojizo/ をリンクしました。

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2009年1月 3日 (土)

伊予鉄電車連絡100円バスに、歩き遍路うっかり乗る!

クルマ社会のなかで、地方では公共交通の経営は極めて厳しい。こうしたなか、伊予鉄が頑張っていることは聞いていた。電車・バスの総合乗換検索など、情報サービスはピカ一。歩き遍路で49番浄土寺を目指していると、「電車連絡100円バスImg_0348」のバス停を見つける。病院前で待っている人の前を通り過ぎたが、次のバス停で30分に1本の低床バスが来た。

ヒョイと飛び乗り「すみません。さっき、通過した遍路ですが、便利なバスが100円であるので、インチキしました」と笑って席に座ると、乗客は大笑い。「伊予鉄は、便利な電車連絡バスがありますね」「高齢者は、このバスで気軽に電車に乗れる、病院に行ける」「伊予鉄は、松山の財産です」

市民から信頼される鉄道・バス会社。伊予鉄は、日本の公共交通事業者のお手本だと知った。

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2009年1月 2日 (金)

愛媛県内子ー44番札所間の突合集落

愛媛県内子町から遍路道は久万高原の44番大宝寺を経て、石鎚山の入口、岩屋寺を目指す。大洲の十夜ヶ橋通夜堂、五百木遍路無料宿、千人宿大師堂などが続く。途中の大瀬集落は、かつては筏で栄え、木造民家が並ぶ。卯之町などの古民家再生を手がけた建築事務所がある。Img_0330その先、突合集落は、小田川と吉野川の合流点であり、かつては筏の出発点、木材で栄えた。 右端の徳岡旅館は、築130年の松材が黒光りしている。戦時中、材木の徴用があったが敗戦で買い付けてもらえず、戦後の植林で杉ばかりになり、保水力がなくなり、川の水量が減り、筏は消えた。昔は、河口の長浜は、新宮(和歌山県)、能代(秋田県)と並ぶ、製材地であった。今や、松山行のバスが一往復あるのみである。

【追伸】「住民自らが生み出したバスコミュニティ」『CEL』2005年6月を、最近の業績:その他にリンクしました。https://www.osakagas.co.jp/cel/pdf/cel_73_15.pdf#search='森栗茂一'

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2009年1月 1日 (木)

49番浄土寺:お遍路とクルマトラブル

第49番札所浄土寺は、伊予鉄久米駅前の狭い住宅地のなかにある。バス駐車場もお寺から距離がある。乗用車は狭い路地から門前駐車場に入る。

Img_0350納経所では、賃借している駐車場代のささやかな志納を求めているが、支払わないクルマ遍路も多い。挙句、「看板がわかりにくい」「バス駐車場が遠い」とクレームがつく。なかには、個人の門前にクルマ遍路が駐車し、隣家と争論し住職が呼び出されたり、狭い道に隣家の庭木の先を折りつつ、マイクロバスが無理やり進入することもあったという。年々、クルマ遍路のマナーが悪く、エンジンをふかす、タバコを吸いながら境内に入る、ゴミを置いていく、注意をすれば、居直る、逆切れする…。

クルマは便利だ。体力のない方、時間のない方も遍路ができる。しかし、クルマ遍路が増えるなかで、四国の方々が持っているお遍路に対する信頼感が、今、揺らいでいる。クルマによる個人消費主義、少しでも歩くのが嫌、少しでも時間をとられるのが損、停めるのはタダ・サービスだという主張が横行している。札所と近隣住民の困惑の前で…。

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44番大宝寺と46番浄瑠璃寺:凡人の小さな帰依僧

お遍路では毎回「弟子某甲儘未来際 帰依仏 帰依法 帰依僧」と唱えるが、口先ばかりで心から実行できていない。3年前、44番大宝寺に他の団体に相伴で泊めていただき、朝のお勤めで厳しいお言葉をいただいた。「過日、45番岩屋寺まで往復し遅着した遍路が『疲れた、疲れた』という。なぜ「遅れてすみません」と言えないのか。それでは巡拝している意味がない」と。今回、納経所でそのことをお話しすると、老僧は他界されたとのこと、有り難い一会であったと思い知りました。

今回、46番浄瑠璃寺で納経帳を出すと、僧正が座っておられ、「二度目ですか」「はい。以前はクルマ。これではいけないと思い、歩いております」と申し上げると、「それは良いことに気づかれた」と誉めていただいた。宿に貼ってあった「真言宗豊山流のポスター(写真はその一部)」を見ると、まさにその僧正が微笑んでおられる。Img_0346_2心より感謝し、翌早朝、外からそっとお勤めをさせていただいた。 僧への帰依も、お遍路の喜びと、冬の朝の境内で改めて知った。

弟子某甲儘未来際 帰依僧

【追伸】最近の業績講演(その他)に、「お地蔵さん笑てる まち・震災・きづな」(神戸新聞、2003年)http://www.kobe-np.co.jp/rensai/ojizo/ をリンクしました。読んでもらえると嬉しいです。

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