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2008年12月

2008年12月27日 (土)

【更新】交通を活かしたまちづくりと市民参画・協働・ボランタリー起業 をアップ

「交通を活かしたまちづくりと市民参画・協働・ボランタリー起業~住吉台くるくるバスから山口市市民交通計画・㈱神戸まちづくり まで」;『都市問題研究』第60巻第12号(通算696号)都市問題研究会(大阪市) を、「最近の業績・講演」にアップしました。ここ4年ほど、まちづくりや民俗学から距離を置いて考えてきたことを集成しました。見てやっていただき、今後の大阪市の改革が、注目されます。

本日より、四国山中に入ります。新年は1月1日から始めたい。学生さんの手助けで、よちよち始めたブログ、誤解を避けるため、コメント・トラックバックを避けております無礼、お許しください。何かありましたら、メールください。

新米ブログにお付き合いいただきました皆様に、心よりお礼申し上げ、どうか来年もよろしく願います。苦しいときこそ、パラダイムの転換が求められています。いろいろな方が、多様な見方で、少しでも元気に新しい方向を探せるよう、本ブログも隔日?更新で、がんばりたいです。

本ブログを見ていただいた方々のご健康と幸運、気分転換を期して、今年最後のご挨拶にさせていただきます。ありがとうございました。

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2008年12月26日 (金)

となりの車線はなぜスイスイ進むのか?

トム・ヴァンダービルト『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?』早川書房

単なる交通心理学かと思ったが、深い内容。

■匿名性、楽観主義バイアス、そして無反省な、運転ナルシズム。その結果の無謀漫然運転による「ヒヤリ・ハット」(1つの大事故の前には29の小事故があり、300のヒヤリハットがある(ハインリッヒの三層ピラミッド)。そして、道路ができれば、個々の効率的な判断によって、クルマ潜在需要を掘り起こし、渋滞が起きる。

■快適通勤往復時間は66分。だから都心は半径30分圏。(だから町歩き観光は観察時間を入れて90分)なのに、道路ができると通勤時間が延びる。そのうち、クルマ利用のほとんどはショッピングセンターに向かう時間、もしくは駐車場をぐるぐる探す時間【『無料駐車場の高コスト』ドナルド・シャープ】、さらにはサッカーママのピックアップにあてられる【運転時間は過小評価され、徒歩時間は過大評価されるが】。人生の1/3を寝食に、1/6を労働に、そして1/3をクルマ、これを豊かと考えてよいのか、私は考え込んでしまう。

■無料駐車場に外車で駐車する人のコストは、公共交通で来る人の価格にも含みこまれ、静かな環境に住む人の大きなクルマがクルマを持たない比率が高い密集市街地の住民にガスと騒音をあびせる(ex.西淀川公害訴訟)【ドナルド・アップルヤード】=クルマの外部経済の非対称性。

■自分だけ少しの結果、公共空間は著しく海蝕されまちの環境と景観はそこなわれる。それどころか、事故わき見渋滞のように、せっかく10km渋滞待ちをしたのだから、事故をわき見ようとして、さらに渋滞を引き起こし、そうしたわき見でのヒヤリ300回の果てには、当人の交通事故死が待っている。

こうした問題は、クルマが人間の身体能力以上のスピード【30km/hを越えるとアイコンタクト(視線コミュニケーション)不可能】、と

身体以上の重量【50kgの人間が2tのクルマを操る】、身体以上の面積を占める【幅60cm、厚さ30の人間が、幅1.7m、長さ5m】を占め、

その外部不経済を無料で利用【道路は無料で、ドライバーは騒音や排ガスの損失負担もしない、ショッピングセンターの無料駐車は購買料金に内包されている:道路建設維持には、道路特定財源以外に多くの一般財源がつぎ込まれている】 していることに由来している

こうした外部不経済をもとに、自動車産業と道路建設が牽引した成長と再配分、民主主義発展の寄与は否定できない。しかし、そろそろ、外部経済の内部化により、わかちあい、出会い語り合う【都市計画で言えばゾーニングでえはなく、カップリング】、たとえば、都心の駐車料金を高くし、都心交通を無料化するなど、新しい都市経営パラダイムに転換すべきときが来ている。そのとき、公共交通は成長産業になるのである。

クルマはとても便利だ。他人がほとんどクルマを持たない状況では極めて便利…。

家康家訓「及ばざるは過ぎたるにまされり」。

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2008年12月23日 (火)

加賀山耕一『お遍路入門』ちくま新書

通常の歩き四国遍路体験記・案内書ではない。本質をついた遍路の視点が示されている。(以下、引用ではなく私の読後印象)

■四国の人々の配慮(配慮することで接待側も気分良くなる)を受けて、ありがとうと思って歩ける遍路側の気分良さ。「こんにちは」「ありがとう」のコミュニケーションを、白装束においずる・笠・輪袈裟・杖のユニフォームが促進してくれる。後は、訪問する者の、先に挨拶する勇気である。

■所要日数は、わからん。ただただ、次の札所に行くだけであり、予定はたてられない。歩くもよし、公共交通機関もよし。ただ、団体バスでは、人や暮らしに出会うことがない。迷う体験も得られない。歩くのも団体はダメ。「路」は各の足と書くではないか。

■笠は風に弱いが、日差しをさえぎる。手を縁をかかげ、前向きに、頭を下げて歩け、ふんぞり返るなという。

■鈴と杖は、野犬除け、まむし除け。白装束は、スズメバチ除け。杖は、体重がかかる山道で足を守る。

■山道は気持ちよい。ただし、遊歩道計画によって階段状に等間隔で直線状に擬木が打つつけられ、ところによっては必要以上に腿を上げねばあがれない坂道は、かつての遍路道とは違い、歩きにくい。現代の遍路ころがしは、一にトンネル、二にクルマ、三に山の階段、四の五の言えばマムシが嗤う。いやはや、全部、今話題の国交省整備局道路予算。

■札所を巡ることを打つという。木札納札を打ちつけることに由来するが、打つことによる「手ごたえ」だという。私は「なるほど」と手を打った。

■43番明石寺、57番栄福寺には、病気遍路の奉納した箱車があるという(22番平等寺にもある)。71番弥谷寺には、コルセット・義足・松葉杖が奉納されている。

ただ読後感は悪い。はなもちならない気持ち悪さがあるが、四国を何度も回って「入門」を書く人でも、この程度である。人間というのは、なかなか変わらんもんだなあと思う。某政治家が歩き遍路を完逐し高野山で高僧に聞いたという。「体感、実感。いろいろな事がわかったが、捨てることができない」(そら、現役ですから)と言ったそうな。高僧曰く、「もう一回、回ってきなさい」

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2008年12月21日 (日)

魂のこもった言葉、熱い交通政策

バスの赤字、廃止などで、クルマに頼りにくい高齢者・妊産婦・障がいを持った方が困っており、自治体では多様な試みがなされ、公共交通の再生に関する法整備も一歩前進している(充分な予算?)。こうしたなか、関西の自治体職員やコンサル・大学院生のなかには、土曜日曜を使い、身銭を切って研修しようという者が、30人弱集まった。3つの課題にむけて、現地検討や数値計算をふまえた、具体的な政策提言を研究している。題して、再生塾。

■嵐電(京都)を活用したまちづくり ■新田辺駅前の商店街の活性化にむけたまちづくり ■赤バス(大阪市)課題から考える交通を活かしたまちづくり<正式題目ではない>

などを検討してきた。日常業務をこなしつつ、深夜メールで議論し、昨日、中間発表があった。

①精緻な採算性や利便性向上・活性化について具体的かつ率直な発表であったこと ②人々の交通・移動と暮らしをみすえた「これからの町はこうあってほしい」という熱い思いが伝わる発表であった こと

精緻な技術分析と熱いハートの発表。

【個人的な予断であるが】通常の交通政策実務や交通事業者経営では、内部外部のしがらみや、慣習や予算枠(額)など、市民的視線からみれば、疑問、もどかしく思うことも少なくない。

しかし、異なる立場・自治体の職員が、現地体験を踏まえ自ら学び、自らの思いで政策を語り始めたのを聞き、大きな感動と可能性を実感した。地域の交通から考える地域の再生策は、関西から大きなうねりになるかもしれない。

正式の発表は、以下である。ぜひとも来聴いただき、意のある方に、来年度の再生塾に参加してほしい。

総合的な交通政策をすすめるための研修会実践編

クレオ大阪東部館 1月28日13:30~18:00

申込 近畿運輸局交通企画課(野口)kinki-kikakuka@kkt.mlit.go.jp

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2008年12月19日 (金)

阪急電鉄子会社駅員ら840人本社直接採用

読売新聞オンライン12月18日によれば、他の私鉄同様、阪急は経営のスリム化をめざし、駅務員・車掌を子会社に移行させてきた。しかし、安全対策・突発事故対処や士気を考え、本社直接雇用にするという。

12月9日の本ブログ宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波新書)から学ぶことにあるように、鉄道という社会的共通資本は、国鉄のような官僚化を防ぎつつ、でも、私的経済活動の濫用を防ぐべきである。ことは、共和党や自民党のなかの「社会主義に戻すのか」というバランスの欠いた議論ではない。行き過ぎた自由コスト主義ではなく、企業の社会的責任、とくに公共交通の役割を考えると、阪急の態度は、派遣切の風潮の中で「さすが」と、沿線住民としては嬉しい。

政府無策の間、民間でも雇用創出の動きが出ているという。悔しまぎれだが、好景気の勢いのなかに本当の生き方があるのではなく、不景気・厳しい状況の中で、「世の中、捨てたもんじゃない」と思う。こうした動きのなかにこそ、人が生きる意味、社会が存在する意味があるのかもしれない。そういう意味で、混乱のこの時代を丁寧にみつめていき、その意味を学生や社会の方々と一緒に考えていきたい。

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2008年12月17日 (水)

ブログ個人教授

このブログは、ホームページの管理の難しさや、授業など学生とのコミュニケーション、一緒に仕事をしている企業や自治体・NPOのみなさんに、私の考え方を理解していただくため、また、交通やお遍路・まちなかに関心のある仲間と出会えたら良いなあと思い、始めました。
とくに、コミュニケーションデザイン・センターのカリキュラムは、大学院全専攻科の共通科目であり、連絡・意思統一が難しいので、ぜひとも必要になりました。また、研究室・専攻ゼミではないので、受講した学生さんの事後をどのようにフォローするのか難しい問題がありました。とくに、お遍路やまちなか再生のように、受講生の思いが燃え上がることもあれば、学生が就職活動に走りがちになることもありました。
そのブログですが、実は、受講のT君に意図を相談し、作ってもらいました。いろいろ教授を受けつつ、ブログ部分のウェブページと、HTMLリストの特色を理解し、自学自習しては、質問をして学んでいます。
***************************
T君 忙しそうですね。
金曜日、豊中キャンパス内新懐徳堂(池の前、旧浪速高商重文、イ号館奥) のパソコン、か、西宮北口森栗自宅 で、大阪市コミュニティ協会講座で一緒に一仕事する前にご教授ください。
時間:貴兄のとれる範囲でじっくり 15時くらいからお時間をいただけますか
すすめ方:貴兄のエアパソコン+自宅または懐徳堂のパソコンで 課題質問形式
予習:生徒森栗は、すでに最近の研究業績をテキスト化、オンしている。これに一部の論文をリンクしたい。ご教示のとおり、必要な論文もアルファベットアドレスをつけて、持参します。(一部、ONしたが、表示できない???)
展望:基本的には自分で設計・管理できるようにしたい。
 T君が就職会社での活動に向かう2月までには、ほぼ自立できるように努力しますので、よろしくご指導ください。

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2008年12月16日 (火)

2009年交通まちコミュニケーションのシラバス

社会人受講もあり、また、この科目を他の「副専攻まちづくりデザイナー学」とまとめて科目履修することもできます。

詳細は、2009年CSCDシラバス、まちづくりデザイン学http://www.civil.eng.osaka-u.ac.jp/plan/machidukuri/sub-major.htm#_top

授業科目名 交通まちコミュニケーション概論
単位数 2
英語表記 Introduction to traffic & urban communication
受講人員 10人
対象 全研究科大学院生(社会人2名程度)
時期 第2期(10-2月初旬)=月曜3限
開設場所 吹田キャンパス
キーワード 地域交通計画、中心市街地活性化、団地再生、マルチモーダルシフト、住民協働、
授業目的 過度な自家用自動車(以下、クルマと称す)依存は、地球温暖化促進のみならず、人と人とのコミュニケーションを阻害し、中心市街地空洞化、オールドニュータウンの衰退を招いています。神戸市住吉台のくるくるバスをモデルに、山口市、大阪市など各地の地域交通計画やアプローチの実際に学びつつ、中心市街地の衰退、少子高齢化やオールドニュータウンの登場のなかで、どのような土木施策がとられているのかを、文系の視点で概説する。
授業内容 ① 土木計画学への挑戦―都市生活誌から交通計画へ
② 交通工学のソフト技術―マイバス~神戸市住吉台くるくるバスのその後~
③ クルマにたよりすぎて何が悪い!クルマ・原チャだよりで得るもの失うもの
  モビリティ・マネージメントの技術
④ 高齢社会の交通計画とコミュニケーション課題
⑤ 都市のマスタープランとしての「クルマに頼り過ぎないまちづくり」
―山口市市民交通計画―
⑦ 全国・商店街の再生を考える
⑧ TOVとVOD―各地の地域公共交通政策と富山革命
⑨ 【総括】公共交通と商店街(ゲスト)
⑩ 交通計画からみたオールドニュータウンの課題
⑪ 大阪市の交通計画を考えるーいわゆる赤バス問題とコミュニティビジョン
⑫ TODを支える技術とその経営(ゲスト)
教科書 森栗「交通まちづくりなくして中心市街地活性化なし」『都市住宅学』58、2007年
森栗「くるくるバスがもたらした持続可能なオールドニュータウン」『交通工学』42、2007年
森栗「自治体ぐるみの住民協働交通まちづくり計画ー山口市交通まちづくりから」『土木計画学会平成20年度春季大会予稿集』2008年
森栗「交通を活かしたまちづくりと市民参画・協働・ボランタリー起業」『都市問題研究』696、大阪市都市問題研究会、2008年
など適時配布する
参考書 ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション
成績評価 1)正確な広聴力 2)適切な表現力 3)自己の専攻・地域知識・興味等を活かした課題発表
その他 社会人の受講を歓迎します。文理融合に関心のある方の受講を歓迎します。

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2008年12月14日 (日)

今晩の篤姫最終回でも見て、誇りある負け方の智慧を学べ

少しは歴史に関係した研究者としては、無知を恥じながら篤姫の感想。幕府終末の当事者の右往左往は面白い。議論しながら結論を出せず、ずるずる後退する幕臣の無能ぶりは、大学合併で廃止になった大学当局に似てるなあと、元当事者としては(職務上知りえた秘密を心に押し殺し)思う。

自ら選んだ総裁の無策に右往左往する最近の自民党は、幕末そのもの。徳川家康家訓に「勝つ事(長期政権)ばかり知りて、負くる事を知らざれば害その身に到る」とある。マスコミ報道によれば、程度の差こそあれ自民党の負けは見えている。もう少し、長期にわたってこの国を支えてきた者として、誇りを失わず自負をいだき、末節を汚さないでほしい。

廃止になった大学の元教員も、首の危ない政治家の方も、今晩は篤姫最終回でも見て、「不況、不況」と騒がず、世の移ろいを眺め、我は何のために生まれてきたのか、何をすべきか、多忙な年末だからこそ、ゆっくり考えたい。

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2008年12月13日 (土)

グルノーブルの自転車レーン

Rimg0028_2Rimg0046 最近、自転車と歩行者との事故が多い。日本では、自転車の走行空間が保証されず、車道から追い出された自転車が、歩行者と交錯しているからだ。     フランス・グルノーブルでは、一方通行道路でも、自転車とタクシーだけは双方通行であったり、自動車トラムの停留所に駐輪場があり、歩道と同様に自転車走行空間が確保され、その外側に駐車スペースがある。日本のように、路側帯という場の、迷惑駐車スペースが、走行車両の迷惑や自転車走行を妨害することはない。                    

Rimg0086_2 

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2008年12月12日 (金)

彦根花菖蒲通りの市民活動

Dvc00040 ひこにゃんでブレーク中の彦根城下町に、花菖蒲通という町家を活かしたまちづくりがある。関ヶ原西軍のしまさこにゃん、石田みつにゃんなど、ひこにゃんと張り合ったキャラクターを、町の人が作り出している。

自転車屋さんは宇喜田家紋を前に、エコを主張し、キャリア付自転車や自転車タクシーを研究している。  Dvc00045 

元風呂屋さんには、自家製紙の合戦道具が並び、そなえている?

実は、ここは川を移動させたあとにできた河原町であった。漆屋、木地師や、飾カネ職人など山から街道から職人が城下端町に集まり栄えた。川向こうの仏壇街は、その関連である。

現代では、商店街を振興するのは厳しい。しかし、地域の歴史や暮らし方を、キャラクターとともに考え、活かそうとする動きは、密かに彦根ファンを増やしている。がんばれ!花菖蒲通。

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年末ショート遍路の交通対策

Img_0299 年度末を利用し、愛媛県内子から峠を3つ越えて、四国山中の岩屋寺まで行き、折り返して松山平野まで、3泊4日で歩こうと発心。

ところが帰省ラッシュ、ぼやぼやしている間に、JRバス京阪神発松山・内子経由八幡浜行は満席(神戸より6850円)。阪神バス夜行で大洲まで行き(神戸より7000円)、翌朝、大洲から内子に戻ろうかと思ったが満席。阪急バス大阪梅田ー松山ー八幡浜行を、西宮自宅から宝塚インター(6950円)から乗ることにした。梅田乗車よりかなり安い。宝塚インターバス停までは阪急清荒神駅より30分歩くか?

長い山道なので内子から一部路線バスをと探したら、赤字廃止代替行政バスがあった。が、土日休止。歩くしかなさそうである。2泊のつもりを3泊にする。それより、雪になったら?一応、滑り止めは持っているが・・・。そのときは写経でもして帰るか。

お遍路では、過疎地や帰省ラッシュ、天候の急変など、さまざまな状況を体験できるが、その困難をすべて、経験として受け入れていくことで、地域の暮らしぶりや、来訪者に対するおもてなし=お接待に出会うことができる。

Img_0280 バス車内で「娘のところに寄って病院に行きます。お遍路さん、八幡浜のみかんです。どうぞ」「はあ、ありがとうございます」

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2008年12月 9日 (火)

宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波新書)から学ぶこと

ノーベル経済学賞候補、自由経済派のフリードマンらを批判。宇沢は、社会的共通資本は官僚主義管理の堕落を排し、かつ貨幣中心主義の極端な私的営利追求主義を拒否せねばならぬ、と主張した。とくに、金融と証券の非分離に対する批判、自動車の外部不経済など、普通の人が普通に暮らせる経済社会をといている。すべてを貨幣に任せると、農業はなりたたない。しかし、貨幣以外の外部価値を考えるなら、農業の社会的共通資本としての価値は大きいという。

近年、モータリゼーションのなかで、社会的共通資本である公共交通の運営維持が困難だ。病院も私的営利追求に任せれば、維持が難しい。カネのある人は大きなクルマで動き回り、そうでない人、子ども、学生、高齢者が移動に制約を受けるような社会ではいけないという。

中曽根民活、小泉改革は、改革という名の官僚主義打破としては有効だが、はたして社会的共通資本を私的営利追求にまかせてしまって良いのか。今日のアメリカ金融バブルの崩壊で、我々は宇沢の指摘に再度、耳をすます必要があろう。

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2008年12月 6日 (土)

大阪の市民力を結集するコミュニティ協会講座を5日夕開催

つながる ひろがる おもろい まちワークⅡ-ファシリテーション実践講座 と題して、市民30名弱が大阪市北区民センターに集まり、講演・「新住民と旧住民」なるミニワークショップをしてみた。3回連続を市内5箇所で同時開催。私は北部担当。

驚いたのは、工場帰りの方、人付き合いが苦手というフリーター、商店のおばちゃん、環境活動の若者、ボランティアのおじいさん、普通の勤め人、地域保育のおばさんなど、多様な人が7時に集まったことだ。

ワークショップの初心者が多く、友達もバラバラに座席指定され、ぎこちなかったが、自己紹介が始まると喋るわ喋るわ。が、紙に書くとなると筆が動かない。まとめるとなると、前にすすまない。ただ、皆で後しまつをした後、充実した顔で帰られた。「よう、しゃべったワ」。 12月にこんな講座を開いて声かけしてきて~という嫌味がまったくない。大阪市民は、すごい。

大阪には、いろいろ不祥事がつきなく、それは市民の無関心が原因かといわれるが、違う。市民が主体的に意見を言い合い、地域を自立的につくる機会が少なかったのではないか。こうした普通に暮らす市民と地域を守ってきた町振興会とが協働して地域づくりをはじめれば、役所も変わる。いや、変わり始めている?

昨日の会議には、区役所の方も密かに来られていた。大阪は市民力の町であった。その力は未だ健在である。小さな講座だが、この力を育てたい。

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2008年12月 5日 (金)

自転車と赤字バス

Email0004_22万円以下の中国製自転車が普及し、駅前の駐輪場は満員。歩道上は放置自転車であふれかえっている。大阪は昼間人口当たりの放置自転車数日本一であるが、バス赤字でも日本有数。

図をみると、駅から500m~5kmは、自転車が一番速い。バスは太刀打ちできない。おまけに、自転車駐輪が200円くらい。バス往復400円では家計的にも太刀打ちできない。本数もばらばら、遅れもあれば、5km以内で、駅乗継のためにバスを待つ人はいない。しかも、自転車を放置すれば、無料で駅に行ける。だからバスは赤字になる。

ではどうすれば良いか。大阪市交通局も考えていて、バスで地下鉄乗継する場合、バスが100円になる。乗継定期もある。すばらしい商品である。

しかし、バスに乗って300円支払い、地下鉄200円区間の乗継切符を受け取り、230円区間なら、駅で清算するという。何ともわかりにくく、面倒な制度。これでは普及しない。商品アイデアは良いが、流通(利用勝手)がダメで、広報コピーインパクトもない。

いっそ、駅近バスは前乗で100円ではどうか。「駅近バス100円」で、実質乗継制度を活用して、自転車利用を減らせ。ちなみに、大阪市の場合、駅の自転車利用の7/8は乗継である。また、放置自転車対策や近隣周りの赤バスに、それぞれ十◎億円が毎年使われている。

平松市長なら市民目線で、こんな財政支出圧縮・サービス向上に着手されるのではないだろうか。

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2008年12月 4日 (木)

社会心理学初歩

震災以来のまちづくりや住吉台くるくるバスなどのコミュニティ・コミュニケーションの経験、各地の講演を、恥ずかしながら社会心理学の初歩で考えなおした。

短期記憶は、20秒間、7±2保持されるという。しかし、7はかなり集中力が必要。通常の講演では7つなら拒否範囲となり、3つなら需要範囲として、記憶に残る。3つなら負担感が少なく、受け入れられる。TVでは「大事なことだからもう一度言いますよ」と1つの記憶でよいが、説得的コミュニケーションとしての講演会で1つだと、期待を裏切ったことになる。結果、専門性重要性が疑われ、信頼性が落ち、①注意されなくなる。真面目に聴く気にならず、②理解がすすまない。

フィードバックプログラム(アンケート、プレゼントとしての資料など)を入れ、3つくらいのポイントで、説得的コミュニケーションで③受容をもとめる。講演の最後で、感謝と熱意、かつ講演者の聴衆者への立場受容を示し、④記憶に残す。相手に、行動変容にいたるまでの受容を求めたければ、説得者は、それ以上の受容態度を示さねば、リアクタンス(不自由)を感じる。そのためには、個々が抱える困難・矛盾(不協和)への同情(同じ心持になって考える:柳田國男)が重要で、ステップバイステップ、少しづつを受け入れることを表明せねばならない。(①~④は説得の過程)

講演はスピードが速く大きな声のほうが説得力があるといわれるが、バランス次第だ。私のような大声の人間は、他人の講演を聞くと自分の欠点で恥ずかしくなる。要は、講演者が話したいことより、相手の立場にたって考えながらサポートしていくことを心したい。ならば、講演の最後は、感謝、確認、受容をゆっくりと語せるようになりたい。  事後、行動変容を追調査する必要がある。

てなことを考えた。どうも、説得的態度変容プログラムという言い方は、腑に落ちない。大声や権力、専門家・教授者中心プログラムのように感じる.。今後は、受容的納得・理解による行動変容プログラムを考えてみたい。

白樫三四郎編1997『社会心理学への招待』ミネルヴァ書房

明田・岡本・奥田・外山・山口1994 『ベーシック現代心理学7社会心理学』有斐閣

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2008年12月 2日 (火)

交通まちコミ概論ゲスト:土井勉先生の授業

12月1日6時間目、各地の交通計画でご多忙の土井勉先生(神戸国際大学)に阪大吹田までお運びいただき、お話を頂戴した。学部数名、大学院生数名が、「まちは必要か」と題して商店街と公共交通は必要なのかという問題提議をいただき、議論した。学生の意見のなかから、まちの多様な暮らし方、生き方がかいまみえた。

 なかでも、公共財としてのまちは、共有地のようなもので、みなが個々に消費生活で省みなければ、いつかコモンズの悲劇がおとずれ、皆が生きる場:まちを失うという指摘は、学生の心底にずしんと残ったのではなかろうか。

道路は広いが誰も歩いていない整備された駅前の寂しさ。アーケードとタイル舗装だけが立派なシャッター商店街・・・。

多様な生き方、価値観を認めつつ、それでも「まち」という公共財について、ともに考えて見たいなあ・・・、と学生が納得した、見事な授業を拝見できました。

その内容はいうに及ばす、私の授業・講演方法にとっても、とても参考になりました。    土井先生はスゴイ。感謝申し上げます。

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2008年12月 1日 (月)

宇和島自動車の努力

Img_0256公共交通、なかでも地方のバスの経営は、モータリゼーションの中で難しい。しかし、愛媛県西部の宇和島自動車は、卯之町営業所を街並みにあわせて町家風デザインにし、運行路線図も、地元民でなくてもわかりやすいデザインである。

宇和島自動車の、地域を支える気概に拍手! 当たり前のようだが、厳しい経営の中、なかなかできることではない。

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