2012年5月27日 (日)

大阪減災自治の底力は大正区に残る

Img_17571 47都道府県20政令市中、最低とも揶揄され、橋下改革でメッタ切されている大阪市。振興町会の組織率は下がり、町会長の平均年齢は70半ばになんなんとしている。
 が、全国の町会で、赤十字奉仕団として動いたのは大阪が最初。大阪の自治は、防災、とくに水防だ。その心意気と活動が大正区には生きていた。町会長は、赤十字奉仕団のヘルメットを受け継ぎ、住民全体の情報を把握し、いざ津波のときには、高齢者・障害者をどのように誘導し、大阪ドームに逃げる手はずが整っている。
 子どもたちには、紙芝居で津波や高潮の歴史を伝えている。
町会長の言葉に驚いた。
「津波には、常に警戒してます。しかし、怖れていません。ちゃんと対処したら、命だけは助かります。そんな自治をしてます。大正区は昔から、自分たちで水防をやってきた町ですから・・・」
 市政改革も、無駄をはぶきつつ、こうした市民力・市民資産を活かすを活かす改革でなければならない。

| | コメント (0)

2012年5月25日 (金)

瀝青会『今和次郎「日本の民家」再訪』平凡社

1922年、早稲田大学教授になったばかりの今和次郎が書いた『日本の民家ー田園生活者の研究』のスケッチの民家を、現代に再訪した報告である。
 今和次郎は、日本近代最初の民家研究会(白茅会)に参加し、農村改善政策に関わり、関東大震災後に被災者生活をスケッチし,バラック装飾社を設立、ジャンパーを制服とし、考現学を提唱、日本生活学会創設など、その活動は多岐に及んでいる。
 
しかし、戦後の文化財指定された民家と今の『日本の民家』とは対象が異なっている。復元編年研究をすすめる戦後民家建築学では、今の採集は科学的でない趣味として批判された。結果、価値のある、整った、建築年代がわかる=地主の住宅ばかりが文化財指定された。農地改革で豪農解体の危機感からの、豪農の価値ある住宅保存であるが、戦後の民家研究が見失ったのは、普通の農民(自立中農)の暮らし文化である。こうして、カビ臭い民家建築研究と抹香臭い民俗文化財研究が戦後アカデミズムの主流となった。
 しかし、今の調査は趣味で民家を適当に採集したのではない。農商務省石黒忠篤(中農政策:小作調停法整備)の依頼による小作制度、名子制度における小作民生活調査としての、小農・中農民家調査である。中農育成・小作争議対策という政策意図があった。とはえい、今は、個人的には小屋のような小さな建物に、人と物との関わり:生活を写し出す物を見出し、石黒から受けた公務のついでに調査している。
 踏査した民家は、中農ゆえに、農地改革の影響を受けず、再訪者が驚くほど残っていた。四国西祖谷山村では、当該所有者を訪ねて老人ホームへ行った調査者の前で、老人が今のスケッチを見ながら「うちや、うちや」と叫ぶ様子や、徳島県日和佐の異国船打ち払いの記録に、黒船のなかで防腐のためにコールタール:瀝青(ちゃん)を塗った戸棚に調理された肉が収納されている記述を見つけ、海辺の村の民家がなぜコールタールを塗るのかを説明している。
 秩父の廃村にBの家を探しに行き、出会った廃村に通う人の話しを聞きつつ、今が指摘する「孤立を恐れない山の楽しみ(谷水、野鳥、野獣、木々と花:楽園)」を指摘している。
 越後の船小屋では、海岸道路の新設で、海を失った船小屋も、上手に転用されている様子を描いている。
 京都の八瀬童子の集落では、今の平面図に「ヘヤ」と軽く書いているのが、実は高殿という回り神役の場であり、今も入室を許されなかったから「ヘヤ」とだけ書いているのではないかと推測している。
 百年後の再訪による見事な生活変遷調査が実現している。とはいえ、消えてしまった民家も多い。
 1918年、貴族院書記官柳田國男が、日本初の総合調査として実施した内郷村はダムに沈んでいた。この調査には。創価学会を作った牧口常三郎、人文地理学を作った小田内通敏、後に農商務大臣となった石黒忠篤が参加しており、今もこれに参加していた。
 伊豆大島の元町の民家は、1965年の大火で残らず、その復興計画に早稲田の吉阪隆正が復興計画が関わっている。今が吉阪に指示したのではないかと、再訪者は推測している。
 中国山地の灰小屋は、化学肥料の普及でその必要がなくなり、圃場整理(基盤整備)で消えてしまった。
 越後関川の民家は、茅場がスキー場になってしまい、壊された。
 静岡県牧の原は、東南海地震1944年で地域全体が流されていた。蒲郡の塩田小屋は競艇場になったが、ここも台風被害を受けている。
 再訪者は、今のスケッチの現況特定に当たって、今の調査法を発見している。今は、とことこ歩いたのではなく、電車で動き、駅前をスケッチした。鉄道の終点・駅は、近代における都市と農村の緊張関係の場所(資本経済と自然経済の均衡点)ととらえられた。今は甲州街道において、郊外町のダイヤグラムをスケッチのなかで著している。ダイヤグラムは以下の4つにわかれる
・武蔵平野の家と宅地/
屋敷のケヤキを売り払った貸家/
嬰児に歯が生えるやうにぽつぽつと生じてくる町/
広範囲な市街地化:極相
を今はスケッチしている。再訪者はメモの地番から、このダイヤグラムの場所を、大久保の八王子同心の屋敷(植木屋)と特定している。このダイヤグラムは、1916年クレメンスが「生態学」で示した遷移(センセッション)の概念を、「日本の民家」1918年に応用したものである。この小さな区画のダイナミックな歴史の跡を、見事に描いた先進的な研究である。狭量な戦後の民家建築科学よりも、極めて先進性科学性がある。戦後の実証主義の底の浅さ、不見識。これによって、生活学の芽は摘まれたのである。(4月17日、戦時下の日本生活学会:参照)
 本書は、今和次郎スケッチの再訪により、民家の強さ、したたかさを、その生活の強さから再確認している点で、今の意思を再評価したものとして、大きな意味を持っている。

| | コメント (0)

2012年5月24日 (木)

【授業:地域交通コミュニケーション】授業資料

野木秀康さん(京丹後市)の論文「「京丹後市200円上限バスの取組」 TV東京200円バス物語:平川希都菜さん

過疎地の希望の星、小さな町の大改革、みんなで学ぼう。
 素晴らしい青年です。我が家にも泊ってもらい、ゆっくりお話しを伺いました。交通にとどまらず将来の日本海を背負う人材でしょう。人間として学ぶところが多い。

| | コメント (0)

2012年5月22日 (火)

宮本常一の叫び声

安渓遊地(山口県立大学)さんのHPに、渡邉 太祐さん(立命館大学経済学部3回生)のレポートが載っている。学ぶところがとても多いので、コピーを掲載させてもらう。「宮本常一の叫び声」

| | コメント (0)

2012年5月21日 (月)

【授業:大阪まち歩き:津波・高潮、洪水】

5/20(日)は、午前オプション:コリアタウンに2名。午後は、体調を崩して欠席届のあった人を除いて全員17名で、空堀、昭和町の長屋を巡った。

次回5/27(日)は「津波・高潮と都市大阪」と題して、
集合:13時 地下鉄C15 中央線・千日前線阿波座駅中改札(⑦番出口連絡)
予定:大阪府津波高潮ステーション⇒川口居留地・安治川大橋跡⇒雑魚場跡⇒松島遊郭跡⇒大阪ドーム(スパー堤防)⇒大正橋(津波碑)⇒大正沖縄村・高潮堤防⇒大正昭和山⇒落合上渡船⇒南海津守駅or北津守(バス)or大正区役所前バス停⇒大阪駅(エンジョイエコカード600円が有利かどうか?)

6/3(日) 日本生活学会のうち関心のあるものを聴講(まちの魅力、生活文化という視点で。欠席のある方は、関心があれば2日「食品安全のシンポ」も。(ブログ参照)

6/10 都合により17日に変更

6/17(日) 貸切バス 豊中学舎石橋門⇒吹田学舎千里門内側⇒人科前⇒高槻市唐崎・洪水碑・六段蔵・過書浜⇒淀川資料館⇒えだポンプ場⇒茨田堤(ゲスト:水害の語り部・柗永先生) 運賃1000円をシェアしてください。

| | コメント (0)

2012年5月16日 (水)

【授業:大阪まちあるき】20日空堀、昭和町

5月13日はお初天神・適塾・住友銀行本店・大阪教会・中津藩蔵屋敷諭吉生家・梅田墓地と、面白かったですね。大阪で学ぶ意味の一端をご理解いただきましたでしょうか。
5月20日は、13時地下鉄谷町線谷町6丁目(T24)北改札集合
空堀の長屋リノベーション、昭和町長屋リノベーションなどを歩きます。
チケット:大阪市交通局エンジョイチケット(一日券)600円
    北大阪急行からの場合、江坂で降りて、買うと地下鉄・バスは終日乗れる。安い!
予定:谷町6丁目駅ー空堀周遊ー谷町6丁目駅ー文の里駅ー昭和町長屋めぐりーバスで大阪駅

オプション:もし早く起きることができ、関心があれば…。いろんな人とコミュニケーションをとりたい方もいるようで…(参加自由) 複合長屋:惣のカレーは600円、定食680円
 集合10:30JR鶴橋駅中央改札(地下鉄鶴橋駅上)ーコリア市場ー御幸森コリアタウン 

参考資料(自分で印刷してご用意ください)「空堀西地図」 「空堀東地図」 「寺西家文化財長屋ブログ抜粋」 昭和帖1 昭和帖2

| | コメント (0)

2012年5月15日 (火)

【授業:地域交通コミュニケーション】山口市

「山口市市民交通計画」『土木計画学』
を読んだ上で、以下の議論をした。

■理念

 公平<公正
 数値での説得<プロセス重視の納得
公正=情報公開x(現場議論+第三者)
 ∴ 行政をあてにする依存市民
    ⇒コスト計算までする自立経営市民(行政にもパートナーとして頼る)

■計画実行
長期計画を、役割分担して、楽しそうに実行
        役割分担(幹線計画、結節点整備、広報→行政)
              (運行、幹線運営→事業者)
              (フィーダ計画、運営→市民x行政サポート)
        実証実験の検証

■手法
 免許返納、福祉優待パスの世代間公平化、コミタク、呑まないかデー(notノーマイカーデー)

次回は、「淡路島のコミュニティ交通」猪井先生 を配布した。事前に読んでくるべし。

 

| | コメント (0)

2012年5月12日 (土)

仏教的「愛」と「信」によるコミュニティ再生

2012年5月10日 (木)「合意形成の秘訣は愛である」と述べた。
2012年5月 8日 (火)「くるくるバス定石理念化議論(5/7)」では、信頼によるコミュニティが基本であり、その第一歩は挨拶であると述べた。
 これを仏教・密教で論理的に説明すると、

煩悩にけがされた染汚(ぜんま)愛は、愛染明王により断ち切るが、「和顔愛語」(『無量寿経』)のように、けがれていない愛も説かれている。仏菩薩が衆生を哀憐する法愛のように、修行中の我々も、和顔愛語、通常「慈悲」と呼ばれる行為を、コミュニティでは心がけることが必要です。
 また、「信」は、仏教では、サンスクリット語のシュラッダーŚraddhā もしくプラサーダPrasada の訳語で、開祖仏陀(ゴータマ・シッダールタ)の教えを信ずることによって、心が清らかに澄みわたることをさしている。要するに、起きている現象、めざすべき方向に 執着せず、帰依すること、即ち信じることが、コミュニティづくりで重要です。

つまり、コミュニティ再生に必要な考え方、愛と信は、仏教的に言うと、慈悲と帰依なのです。

どんな無理難題を言う嫌われ者のなかにも仏性がある。他者のなかに仏性を見て、その悪意に執着せず、そのまま認めることが信である。じっくり聞くとはそういう行為。悪意を持ってします人を憎むのではなく、慈悲をもって見つめること=愛が重要なのです。

| | コメント (0)

2012年5月11日 (金)

【講演】河原町と都市民俗学

兵庫県高等学校教育研究会社会(地理歴史・公民)部会 講演
「河原町の都市民俗学」
神戸市立博物館地下講堂
5月15日:午後1時30分より午後3時
一般参加は可能かどうかわかりませんが、余席があるか問い合わせください。
事務局問い合わせ:star58maple25[アットマーク]yahoo.co.jp

結論
 
河原の町は、町の無頼(マイノリティや職人)による自治によって支えられた。農民からみれば無頼はごろごろいる「ごろつき」であった。都市は水害や火災、災害や疫病に弱い。だからこそ、多様な人々が皆で支えあわねばならぬと「公腹」(おおやけばら=公共心)を保持してきた。江戸の火消しが職人姿で、江戸の町の自治を推進してきたのはその具体である。川で交易し、川で交流した日本の都市千年の歴史を見るとき、川に背を向け、川を暗渠にし、川を埋め立てた20 世紀の都市計画は、見直されねばならない。サラリーマンだけの都市、均質な居住都市はコミュニティではな
い。無頼も含め、多様な人々が、防災や子育てなど、相互に命を支えあうことを基本とする都市自治が、求められているのではないか。防災や子育てを基礎とした多様な人々が暮らすコミュニティが、川を活かし、氾濫原を都市公共に活かす土木計画・都市経営のもとで、多様に展開することが今、求められている。私は、今、そうした市民参画、市民経営によるコミュティづくりを、氾濫原に開けた大阪市で実践したいと思っている。→本文はfacebookにImg

| | コメント (0)

2012年5月10日 (木)

【授業連絡】観光まちづくり学演習5月13日+12日講演

◎第14回安寧の都市ユニット公開セミナー
・日時:5月12日(土)13時00分~17時15分
・場所:京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
杉浦地域医療研究センター2F 杉浦ホール
http://scrc.hs.med.kyoto-u.ac.jp/
・講演者・題目
○1:13:00-15:00
『コミュニティ・マネージメント~何をめざして都市に住むのか』
  大阪大学 教授 森栗 茂一 氏
○2:15:15-17:15
『国土学とは何か -国土の実情と経済-』
  (財)国土技術研究センター 理事長 大石 久和 氏
・参加費:無料
・問い合わせ・申込:安寧の都市ユニット 公開セミナー係
<an-nei@ulc.kyoto-u.ac.jp>
 http://saas01.netcommons.net/annei/htdocs/Seminars/

◎観光まちづくり学演習(受講者のみ参加可)
・日時:5月13日(日)13時~
・集合場所 大阪市梅田・阪神百貨店(北東角)前歩道橋上
http://www.mapion.co.jp/c/here?S=all&F=mapi0320475120510181215
参考 大阪あそ歩 関連地図http://www.osaka-asobo.jp/course96.html
                  http://www.osaka-asobo.jp/course99.html

学生証持参 適塾 無料

| | コメント (0)

合意形成の秘訣は愛である

コミュニティにおける多様は、本当に相互理解が可能なのか。
某地区で、皆が合意形成をめざし議論しても、最後まで反対する人がいる。それでも、その人の意見を含みこんで合意をとろうとするが、論理も意味もなく反対する。

そこで考えた。
 コミュニティは論理ではなく、ラブとバトルで展開するのではないか。
 バトルや権力・暴力はそれ自体、快感である(ジャイアン現象)。多くの人がどう思おうが議論しようが、反対することに快感を感じる、反対に生き甲斐を持つ人を、納得させることは難しい。ましてや説得はできない。
 コミュニティにおけるラブとは何か? この反対権力の快感に固執する人を動かすには、愛による共感しかないかもしれない。長い長い話し合いは、愛による共感のためにあるのである。
 コミュニティでの話し合いの場における多様な立場、意見の重ね合わせは、今、ここの現場の空気のなかで展開される。日常の福祉に副う、即興で展開する生存のアルス、その間とでも呼びようのないエネルギーの流れ。そのなかで、当意即妙のコミュニケーション、きっちり聴く、即座に反応する、じっくりと愛をもって議論するしかない。

コミュニティ合意の秘訣・・・。反対する人を愛せよ。生活の場で、限りなく愛せよ。異論に耳を傾けよ。同意はしないが・・・。

| | コメント (0)

2012年5月 8日 (火)

くるくるバス定石理念化議論(5/7)

①プラットフォームづくり
  タウンミーティングと現場議論
②多面的協働
  計画(住民)、経営(バス会社)、運行(バス会社)←行政支援
    準市場があれば、
     NPOのコミュニティビジネス(CB)的機能、社会的ビジネス(SB)展開
③手法
  需要はあるのではなく、地域(市場)を開拓して産み出す⇒コーディネート力
  運転手は市場管理者=コミュニティ視察者
       読み仮名 社会実験(「やってみんとわからん」と読む)
            短期実証実験(「いべんと」と読む)

④ネットワーキング
  説得(政治力、数字)<納得(信頼による)⇒合意形成
信頼による複雑系における時間縮減効果(ニクラス・ルーマン)
  ミニコミ・マスコミ・口コミ効果……外部とのネットワークが後押しに

交通は手段:目的は総合的持続まちづくり
総合とは、公の心を糸でより合わせ(総)、人々が祈り、口にだしあう(合)__

| | コメント (0)

2012年4月27日 (金)

【授業ワークショップ設計:お遍路】授業資料

2012年授業資料春遍路は、名簿を除いてUPしました

| | コメント (0)

2012年4月26日 (木)

抜け道暴走を止められない警察が、被害者をさらに苦しめる

亀岡の事故の尻馬に乗るつもりはないが、登下校の狭い道、危険な思いをしている住民の声よりも、渋滞処理のみに心をくだく警察が、被害を拡大したことは明白。住民の暮らし、被害者の苦しい思いに心が及ばない警察の感性だからこそ、被害者の携帯番号を簡単に情報漏えいしてしまった。当然、抜け道になって恐怖感を持っている住民の訴えにも応えない。
 道路法に基づく道路設置者:道路管理者(国、自治体など)と、道路交通法にもとづく交通管理者(警察)が違うという、世界に稀な縦割り無責任状況が、この事故の根底にある。
 時間を区切った通行止を認めたがらない警察によって、危険な抜け道状態になっている地域は他にも多いはずだ。地域の子ども・高齢者の命を守ってくれない、地域の暮らしや思いに心が及ばない警察は、亀岡だけではない。
 全国の抜け道沿線住民よ、行動をおこせ。警察が認める認めないに関わらず、登校時間には、みんなで道路に大きな植木鉢を置きましょう。6mの道路なら、左から2.05mのところに、直径50cmの背の高い植木鉢を左右に置きなさい。これで道路、左右に1.8m=肩幅90cm以下の人間が二人並んで歩ける。右は0.75mのとこに植木鉢を置いてください。すると、右に50cmの路側ができます。中央の車道は2.7mになり、2.5mのバスはほぼ入れません。1.68mの乗用車は、ゆっくりしか走れません。抜け道の入口から連続して10mもこんな障害をつくり、みんなで見守れば、抜け道にはなりません。
 通告しても良いが、警察の許可を待っていたら、地域は守れない。子どもたちの命は守れない。警察が何か言ってきたら、命と暮らしが大切で、亀岡のように警察は守ってくれないことを指摘すれば良い。
 もう警察にはまかせられない。道路交通は住民の意見を聞きつつ、道路設置・管理の自治体が運営すべきである。こんな警察庁の勝手な縦割りを残している、世界に稀なる法の未整備で、これ以上、クルマの犠牲者が増えるのはコリゴリだ。日本のクルマは、アメリカの銃と同様、なかなか手放せないが、共和党が何と言おうと銃の犠牲者が後を絶たないのだから、充分制限をかけないといけない。
 日本のクルマも、もっと規制をかけるべきだ。警察がそれを認めないなら、住民が動くしかない。

| | コメント (0)

2012年4月25日 (水)

延藤安弘『マンションをふるさとにしたユーコート物語』

70年代以降、都心に住むために、共同でマンションを建てる運動(都住創) があった。これに対して延藤が主導したユーコートは、協働の暮らしをめざした。つづきベランダや、中庭を通らないと家に入れないなど、ちょっと煩わしいが、そこはかとない人間関係を醸す設計が施された。1985年竣工以来、延藤はその暮らしを見守り、ユーコートから、日本の協働暮らしづくり・まち育てを提案・先導(扇動)し続けた。阪神大震災以後のコレクティブハウジングや共同住宅のふれあいセンターなどは、延藤の指導によるものである。30年たって、壁面や中庭の豊かな緑は、地球と人々の暮らしとの協奏を表象しているが、ユーコートのコミュニティはそれ以上の信頼に溢れている。
 俗に延藤組とも揶揄されるその活動は、強固な「なかよしコミュニティ」を求めたように誤解され、私権を制限する建築計画と揶揄されるが、違う。延藤が求めるのは、プライベートなハコにこもるのではなく、顔見知り、挨拶する程度のゆるやかなつながりによる信頼関係=私発協働である。信頼による安心の住生活である。
 複雑なコミュニティは、計測して設計できるものではない。相互の信頼こそが複雑性を縮減し(二クラス・ルーマン)、お祭り、減災活動、地縁組織との連携や、ときに専従職員をおいての高齢者安否確認・集会所を使ったデイケアなど、コモンの暮らしを可能とする。この暮らしの協働は、どんなコモン活動をするかが重要なのではなく、参加し対話し育むプロセスが重要なのである。このプロセスのなかで、個人の異論があれば、異論のなかに生活課題を発見し、私(わたくし)と私(わたくし)のトラブルがあれば、トラブルを発展のエネルギーに変えるしなやかさを、ユーコートの住民は徐々に身に着けていった。一人は万人のため、万人は一人のためと、ユーコートは、私からほとばしる公共性を謳いだしている。
 ユーコートや延藤の協働暮らしづくり・まち育ては、ユーコートのみに展開される哲学ではない。既存マンションの管理において、単なる建替え議論や共有施設運用と共益費問題にとどまらず減災活動や高齢福祉などマンションのコミュニティ化が求められる今日、よりマンション一般に応用性を持つ。都心高層マンションや都市回帰など、マンション居住が多数派になるつつある現代都市に、今求められている哲学である。この哲学実践のためには、入居以前から居住にいたるまでの「参加」、生活空間の「育み」、住民間の「対話」・専門家との「対話」が、必要である。
 ここでの対話とは、論理で相手を説得するディベートではなく、自分の言葉で話し、他人の話に耳を傾け、腑に落ちる「納得のプロセス」である。マンション管理規則によくあるような「~べからず」ではなく、また「~ねばならない」でもなく、「~だったらエーなあ」というドリームのつぶやきに耳を傾けあう、相互傾聴のプロセスである。
 本書は、生活の価値を問う、新しい都市住居と暮らし方提案の実践記録・哲学提示である。まさに、生活価値を問うという意味で、生活学の大きな成果といえよう。 

| | コメント (0)

2012年4月23日 (月)

【観光学演習・実践:業務連絡】

大阪まちあるきに関する授業は、日本一のコミュニティツーリズムプロデューサ茶谷招聘教授にご指導をいただき、その直接の教えをもとにプレゼンを作る「実践論」に大学院生11名、津波水害記憶を歩くのに大学院生20名余の参加を得ています。多すぎるので、学部生はご遠慮いただきました。
■参加登録と連絡はメールでとります。24日中に morikuri[アットマーク]cscd.osaka-u.jpまで、連絡下さい。件名に、観光演習or観光実践、専攻、名前 を書いてください。
■実践論は、シラバスどおり。茶谷教授から、連絡は入ると思います。4回は必ず出ること。(まあ、病欠・自己都合で1回くらいの欠席はあるか?)。この時点で難しい学生は、履修を遠慮下さい。秋の発表も必ず出ること。日時は茶谷教授と相談。留学等で難しい学生は、ポスター(模造紙半分大)orビデオ作品(youtubuにアップし英語or中国語で説明する)orパワーポイントプレゼン(日英中など多言語OK)提出で、発表会出席に代えることができる。そのつもりで、写真・またはビデオを撮っておくこと。
 優秀な作品は、森栗ブログに授業成果としてUPする。このことに関わる著作権・肖像権ならびに個人情報の扱いについて、とくに問題の発生を恐れる人はご連絡下さい。教育上の支障のない限り、お認めいただいたものとさせていただきます。
▼長崎さるくには、地図と解説を見て勝手に巡る「遊さるく」、ガイドに案内される「通さるく」、イベントや体験講座を受講する「学さるく」がある。演習の履修人数が多い場合は、危険回避のため、3人を基礎単位として、遊さるくを指示します。最終集合地点で探検や発見の自慢しあいをするなど、コミュニケーションを深めるようにし、6月3日(困難な場合は2日)の日本生活学会大会に参加し、コミュニティと暮らし文化について広く学ぶ。
 これらについて、4回は必ず出ること。(まあ、病欠・自己都合で1回くらいの欠席はあるか?)。この時点で難しい学生は、履修を遠慮下さい。
【オプション宿題】ご多用とは思いますが、研究・就職活動の気分転換で、大阪あそ歩、長崎さるく を見てください。とくに、災害・戦災と都市生活 の視点から、どのようなプログラミングが行われているか、注目下さい。
※5/13の適塾については、可能なら実践論も含め(オプション)多くの人に機会を与えたいが、会場の都合もあるので、後日、指示する。

| | コメント (1)

2012年4月22日 (日)

6月3日午後日本生活学会発表要旨「協働まちづくりと地域福祉・地域生活」

6月3日午後、中之島センターで、生活学会共同議論「協働まちづくりと地域福祉・地域生活」と題して、「「協働まちづくり」を考えるための理念と実践―「住民参加型食事サービス」の実践例をもとにして―」野村 知子(桜美林大学)、「大阪市地域人材育成事業で見えてきたこと」藤原明(りそな総合研究所)、「大阪市の協働まちづくりの新展開」 森栗(大阪大学CSCD)をもとに議論する。プログラムは以下の通り。魅力的。参加資料費1000円。必見。
ぜひ、今から予定に書き入れ、お越し下さい。

日本生活学会 第39回研究発表大会   
   於:大阪大学中之島センター    
     6月2日(土)    
  14:00-14:45 今和次郎賞 授賞式・記念講演会
  15:00-18:00 公開シンポジウム 
『食の安全・安心・信頼』―相互理解を醸成するコミュニケーション― 
食の安全・安心をめぐるコミュニケーション  三好恵真子 大阪大学大学院   
「食品の安全を考える − 食品と微生物汚染」   西川禎一 大阪市立大学大学院   
「地域の魚をめぐる漁撈・加工・魚食 − 資源循環の民俗」 橋村修 東京学芸大学   
「たべることから多分かな社会をデザインする仕事」  菊池信孝 (特)INTERNASHOKUNAL   
  6月3日(日)    
9:50-11:50 A会場:『食・健康・環境』    
A1 「名古屋圏におけるモーニングサービスに対する人々の期待と利用行動 ―中高年勤労者の事例―」   
A2 "「ベトナム南部の都市部における子どもの生活習慣と栄養状態の変化―幼稚園児の生活習慣及び食習慣と肥満に関する調査:2009年と2011年の比較―」"   
A3 「商店街における育児支援事業の運営体制変化が母親の育児環境に与える影響」      
A4 「中国北方都市の大気汚染状況分析並びに環境政策新動向についての一考察」   
9:50-11:50 B会場:『住居・生活史』  多目的室302室 
B1 「脊髄損傷による下肢障害のある人の住まいに関する事例研究 ―聞き取りによる住生活史調査から―」    
B2 「シェアハウスの動向と実態に関する研究」       
B3 「わが国の明治・大正期におけるツーバイフォー住宅の変遷に関する研究」   
B4 「戦前の日本で竣工した木骨鉄網コンクリート造住宅の特徴について」          
9:50-11:50 C会場:『地域・伝統』  多目的室303室      
C1 「超高層ランドマーク出現期における近隣住民が抱く風景のイメージ構造 ―東京スカイツリーを対象として―」      
C2 「えびす信仰の現在」   
C3 「居住者の生活体験に着目した「地域への愛着」の醸成構造 ―多摩諏訪永山地域を対象として―」   
C4 「観光みやげにおける生産過程の表現 ―ベトナムにおける雑貨と菓子をめぐって―」 
 
12:20-12:50
ポスター説明:各10分
P1 「室内装飾における西洋風の受容 ―家具と窓の装飾―」   
P2 「歴史学と製錬工学を基軸とした文理融合研究による環境改善への実践的展開」   
P3 「専門家と住民間における空間イメージ共有のための作図技法に関する基礎的研究」   
 12:50-15:20 A会場:『コミュニティ・ネットワーク』
A5 「インドネシア東ジャワ州シドアルジョ県の熱泥噴出問題が地域コミュニティーにあたえる影響」   
A6 「離島における新エネルギー普及の可能性について」   
A7 「都市近郊における新規就農者の営農及び都市住民とのネットワーク形成の実態 ―埼玉県さいたま市見沼田んぼを対象として―」   
A8 「個人のオープンエンドな連関による“まちづくり” ―東京都国立市を事例として― 」 
A9 「極小エスニック集団の支援ネットワーク内の宗教施設の役割 ―ミャンマー人チン族を事例として―」   
 12:50-15:20 B会場:『教育・実践・生活』  多目的室302室
B5 「戦後高等教育における家政学:東北大学農学部生活科学科の事例をもとに」   
B6 「中学校における考現学的フィールドワーク実習の成果と課題:2年間の試みから」   
濱 雄亮 慶應義塾大学文学部非常勤講師   
B7 「フィールドワークのための身体をつくる:「まち観帖」のデザインと実践」   
B8 「大正・昭和初期におけるモダン着物と着装・マナーの変容 ―婦人雑誌付録を中心に―」   
B9 「20世紀における日本の食生活の発展 ―『主婦之友』に掲載された献立の収集と分析を通じて―」   
 12:50-15:20 C会場:『デザイン・設計』  多目的室303室 
C5 「フィンランドのパッケージデザイン」   
C6 「シール付き透明付せんのデザインプロセス ―エコメッセージを伝えるコミュニケーションツールとして―」   
C7 「小津安二郎が監督した映画に見られる椅子と起居様式」   
C8 「わが国戦前期の台所設計競技に関する一考察」   
C9 「近代朝鮮における近代住宅思想の形成に関する一考察 ―朝鮮人建築家「朴吉龍」と「朴東鎭」の住宅談論を中心として―」   
 15:30-17:00 ミニシンポジウム(1)   
協働まちづくりと地域福祉・地域生活      
話題提供1 森栗 茂一 大阪大学コミュニケーションデザイン・センター    
話題提供2 藤原 明 りそな総合研究所    
話題提供3 野村 知子 桜美林大学    
      
15:30-17:00 ミニシンポジウム(2)  多目的室302室   
今和次郎における『日本の民家』の位置づけと無名性の根拠      
話題提供1 中谷 礼仁 早稲田大学    
話題提供2 石川 初 株式会社ランドスケープデザイン    
話題提供3 黒石いずみ 青山学院大

 

| | コメント (0)

2012年4月17日 (火)

戦時下の「日本生活科学会」

民俗学会を含め文系の学会は辞めてしまったが、文理融合の生活学会は面白い。衣食住を良妻賢母に起する家政学に閉じ込めず、住居・建築学や造園学、人類学、食品学、デザイン学・まちづくり・福祉・社会学などの人が融合している。その起源は、考現学を始めた今和次郎であるが、『學士會会報』第893号、2012年、にもっと古い話しが載っている。
 1941年12月13日、新設された厚生大臣に就任した小泉親彦を会長として、生活科学会が学士会館で設立された。当初は、医学を中心とした横断的な「生活科学的合理化が国民体育向上の為」必要と考えられて設立された政策科学であった。小泉(小泉潤一郎とは別家系)は陸軍省軍医総監として衛生省設立に尽力していた。身体強健な兵士を育てる意図があったが、東北の生活問題に気づき、1935年「東北地方衣食住改善調査」課題をもって、関東大震災住宅復興を推進してきた同潤会に内田祥三(後の東大総長)を訪ね、早稲田の今和次郎を紹介され、東北農村調査を依頼している。
 第二回大会(1942年)には、国民標準生計費、国民体力、国民標準住宅、国民標準医療、生鮮食品に関する分科会が開かれている。
 一方で、籠山京は『国民生活の構造』を著し、労働・余暇・休養を分離することを求めている。大河内一男(東大総長)は『国民生活の理論』(記述は戦中、発刊は1948年)で、「戦争は戦闘ではなく、国民生活が崩壊して負けるものだ」と述べている。生活科学会が学会独自のデータやフィールドがなく説得力を欠くなか、籠山や大河内の成果は、現在の生活学の参考になる。
 戦後、GHQが農村民主化を指示して推奨したのが、何と「生活科学」であった。このとき、農林省に助言したのが今和次郎で、大学再編の東北大学農学部家政学科を生活科学科に改組し、旧高等農林系大学農学部にも生活科学科をつくり、東北大学に佐々木嘉彦、東京教育大学に竹内芳太郎を置いた。
 この生活科学科は独立日本のアカデミズムの嫌うところとなり、すべて廃止の憂き目にあう。1970年に大阪市大が大学院設置にあたり家政学部を生活科学部に変更して以来、短大・女子大の家政学が、生活科学科と称するようになったが、フラスコや成分分析はすすんだが、籠山や大河内のような生活の総体を見て総合政策を論じる議論は、未だ現れていない。

生活学は、生活総体に対する総合政策でなけらばならない。私が協働のまちづくりを、6月3日の生活学会の協働討論しようというのは、そういう意図なのである。

| | コメント (0)

2012年4月16日 (月)

連絡:履修登録定員超過

履修希望が多く、基本的に大学院生を優先します。とくに必要な学部生は、説明会で申し出ていただき、余裕のある場合(なかなかありませんが)、検討します。観光まちづくり学演習(大阪まちあるき)(学部8名・院16名/定員15名)、観光まちづくり学実践論(茶谷先生指導)(学部9名・院7名/定員6名)、交流システム実践論(お遍路)(学部21名・院27名/定員15名×2回行く)、ワークショップ設計論(学部23名・院13名/定員15名)は人数調整をすることがあります。

| | コメント (0)

4/15授業(大阪市赤バス・市バス再編)報告

大阪市バスは、一般バス127系統で5系統のみ黒字で70.6億円赤字、赤バス(100円コミュニティバス)28系統で19.5億円赤字、計150系統90.6億円赤字(市バス事業の改革プランH21)であり、アクションプランでは赤バスの廃止等がうたわれている。これまで24億/年 を一般会計から補助し、また敬老パス46億円/年 をつぎ込んできた。それでもH22年末、604億の累積赤字を計上している。橋下市長は赤字補填せずを表明、交通局は地下鉄収入からの融通を求めているが、市長はこれも認めず、6月には、キャッシュフローがマイナスになる見込み。(産経ニュース4/11)

市長は運転手給与を38%削減を求めており、現行の60%コスト(南海電鉄バスなみ)の場合の赤字黒字の精査が求められる。
・60%コストの路線赤字黒字計算して住民に情報を開示して
・市民と行政の間に然るべきコーディネータ(通訳)が入って
タウンミーティング(自由議論)する必要がある。
 また、アンケートも、
・60%コストの路線赤字黒字データを示し
・当事者性を意識した「記名・連絡先記入」の記述意見を求め、それをもとにコンセンサス会議を行う必要がある。この場合、何らかの理由で記名の意見表明が困難な人の意思表明を担保する必要がある。
 上記の設計の基本ができてないのに、住民会議を開いて職員が住民から突き上げをくらいサンドバック状態になったり、匿名無責任な意見に政策が振り回されることになる。

こうした議論の上で、マイノリティの赤バスに代る移動手段を担保した上で、アクションプランにもあるように、赤バスの廃止、または200円バス化もありえるのかもしれない。これについては、デマンドタクシーや福祉サービスを含めた慎重なコンサルティングが必要ではないか。
 データもコンサルティングもないのに思惑で議論したり、コーディネーターがいないのに議論するのは、相互の誤解を増幅し、当事者性のある議論にならない。結果、弱者に配慮しない廃止、もしくは、膨大な赤字を残す無駄な計画になる。そもそも、議論がまとまらないかもしれない。

| | コメント (0)

«宇都宮浄人『鉄道復権ー自動車社会からの「大逆流」』新潮社